◇体操 全日本シニア選手権(6日、東京・エスフォルタアリーナ八王子)

 2月に右アキレス腱(けん)を断裂し、休養していたパリ五輪団体総合金メダルの杉野正尭(徳洲会)は、今大会で復帰し、あん馬で14・633点の高得点で1位になった。

 杉野が戻ってきた。

あん馬と鉄棒の2種目での出場だったが、最初のあん馬をミスなく終えるとガッツポーズで会場にアピール。復帰の喜びを体いっぱいに表現した。杉野は「帰ってこられたなというところと体操は本当に楽しいなと思った。2種目ともミスなく終われところが一番の収穫。目標にしていた点数(15点)には届かなかったけど旋回のスピードだったり、質はケガする前より格段に良くなってきているのかな」と満面の笑みを浮かべた。

 けがは2月上旬の練習中に負ったもので、その後、病院に直行し、手術を行った。世界選手権(10月・ジャカルタ)の代表選考の場となる4月の全日本個人総合選手権、5月のNHK杯は欠場するなど今季の前半戦は棒に振ったものの、「不安は一切ない」と話し、焦らず着実に土台をつくり今大会での復帰にこぎつけた。

 目標に掲げるのは28年ロサンゼルス五輪の団体総合の連覇。「そこに行き着くっていう強い気持ちを持ちながら毎日すごしてきました」。大舞台に向けて力強く再スタートを切った。

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