◆京滋大学リーグ▽第2節3回戦 花園大12―0大谷大=7回コールド=(10日・京都府太陽が丘)

 花園大の最速155キロ右腕・藤原聡大投手(4年)が10日、中1日で大谷大との3回戦に先発した。疲労も残る中、最速150キロをマーク。

5回2安打無失点10奪三振の好投で、チームを勝利に導いた。

 並々ならぬ覚悟がにじんでいた。藤原聡は3回1死二塁のピンチを2者連続の3球三振で切り抜けると、雄たけびを上げた。

 巨人や阪神など9球団のスカウトが集結する中、5回無安打無失点10奪三振の快投を披露した8日の1回戦から中1日。「チームを勝たせるために、自分に行かせてください」と登板を志願した。この日、スカウトの姿はなかったが、5回無失点と有言実行のマウンドだった。

 2試合連続の10奪三振にも、「四球が2つあった。無駄な走者を出したことがピンチにつながったと思う」と満足はしていない。今秋は3試合で17イニングを投げ、26K。奪三振率は驚異の13・76だが、より良い投球を追い求めている。

 常に落ち着いて自分と向き合えているのには理由がある。毎晩寝る前に、幕末の思想家・吉田松陰の名言を集めた「覚悟の磨き方」を2ページ読むことを習慣にしている。

2年夏に右肘の炎症を起こしてから「メンタルがしっかりしていないとチームにいい影響を与えられない」と考えが変わった。チームの精神的な支柱に成長したプロ注目右腕が、同大学初の秋季リーグ優勝へと腕を振り続ける。(藤田 芽生)

編集部おすすめ