◆JERAセ・リーグ 阪神2―0DeNA(11日・甲子園

 阪神・大竹は感慨深げに虎党の「あと1球コール」を堪能していた。「いつも(守護神の)岩崎さんはこういう雰囲気で投げてるんだなって」。

9回2死、最後は桑原を空振り三振。3安打で23年7月5日(マツダ)以来2度目、本拠地で初めてシャットアウトした。

 今季チーム最短2時間14分ゲームを勝利に導いたのは「テンポ感」。相手先発・石田裕と導き合うように、高校野球のようなテンポで進み「肺は、きつい」と笑った。今季初の中5日を104球でマウンドを譲らなかったが、自己採点は「90点」。「まだ伸びしろがある」と言えるのは勝者の特権だ。

 これで8勝目。3年連続2ケタ勝利も見えてきた。「自分ができるピッチングはこんなもんじゃない。夢の中で走って逃げてる時に、走れないみたいな感覚」。独特な表現が口をつくのは、10年後の「40歳現役」を見据えるからこそ。藤川監督が「素晴らしい内容」とたたえた左腕が、リーグV後の連敗を2で止めた。

(直川 響)

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