スポーツ報知が募集した巨人・岸田行倫捕手(28)の強肩の愛称が「きっしゃん砲」に決定した。8月19日付の本紙でニックネーム案を募り、約3000件の応募の中から、Xの「スポーツ報知巨人取材班」で行われたファン投票で決まった。

岸田は12日時点で守備の規定試合数に到達し、シーズン前の目標にしていた盗塁阻止率5割以上をキープ。扇の要として、下克上の日本一までチームをけん引する。

 岸田の強肩の愛称が「きっしゃん砲」に決まった。紙面でニックネームを募集したいという記者の相談を「僕はまだまだですよ」と言いながらも、最後は了承してくれた背番号27。愛称が決まったことを伝えられると「3000票も集まったんですか? ファンの方に選んでいただいたのならうれしいです。ありがとうございます。高いものを目指してもっともっと頑張ります」とG党に感謝した。

 正確無比な「きっしゃん砲」が、巨人を何度も救っている。甲斐の負傷離脱後は16試合連続でスタメン出場を続け、盗塁阻止率は5割。7日の中日戦(バンテリンD)で、守備の規定試合数(試合総数の半数以上に捕手として出場)に到達した。盗塁阻止率5割以上でシーズンを終えれば、巨人では78年福嶋知春(同・633)以来4人目(5度目)となる。

 8月3日のDeNA戦(東京D)では8、9回に二盗を刺してサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

勝敗を左右する場面での盗塁阻止も多いが「全てが全て、完璧ではいけていない。もっと正確性を高めていかないといけない」と慢心はない。「ダメだったらなんでダメだったのかを反省するのを繰り返すだけ」と試合後はすぐに映像を確認するのがルーチン。その努力が、昨季12球団トップだった盗塁阻止率4割7分5厘を上回る数字として表れている。

 規定到達で快挙への可能性が広がる。盗塁阻止率5割以上で最も守備力に秀でた選手に贈られるゴールデン・グラブ賞を獲得すれば、セ・リーグでは2000年の古田敦也(ヤクルト)以来となる。父・辰則さんの川西明峰高時代に1学年後輩だったという縁もあるレジェンド捕手に続く快挙に、手が届く可能性もある。しれつなCS争いが続くなかで「まだまだ試合は残ってるので、しっかりやりたいです」と足元を見つめた扇の要。きっしゃん砲が相手の攻撃を食い止めるたびに、2位でのポストシーズン進出が近づく。(内田 拓希)

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