◆ラグザスpresents 第32回WBSC U―18野球ワールドカップ ▽スーパーラウンド 日本6x―5パナマ=延長9回タイブレーク=(12日・沖縄セルラー那覇)

 日本がスーパーラウンド(SR)2戦目でパナマとの死闘を制し、開幕7連勝で1位での決勝進出を決めた。14日に米国と対戦する。

2試合連続タイブレークの末に延長8回、4点差を追いつき、延長9回1死満塁、岡部飛雄馬(敦賀気比)のスクイズでサヨナラ勝ち。岡部は2戦連続V打。1大会2度、2戦連続のタイブレーク勝利は初。日本は1次Rから持ち越す2勝を含め、4勝0敗と首位をキープ。13日午後6時30分からは台湾戦に臨み、下重賢慎(健大高崎)が先発する。

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 日本の窮地を救ったのは為永皓(ひかる・横浜)のバットだった。

 「6番・三塁」でスタメン出場。1点を追う6回2死三塁では中前に同点打を放ち、4点ビハインドから1点差に迫った延長8回1死一、三塁では左前に同点打。2試合連続の同点タイムリーを放つなど、3打数2安打2打点と躍動した。

 延長8回、4点ものビハインドから、どんなマインドで同点に追いついたのか。

 「チーム全体として、絶対にあきらめていなかったですし、個人的に自分は横浜高校の平塚学園戦が頭に浮かんで『これは行けるな』って思いました」

 今夏の神奈川大会準々決勝(サーティーフォー保土ケ谷)で横浜は、最大4点のビハインドから猛追。1点を追う9回2死二、三塁、3番の主将・阿部葉太中堅手(3年)が「あと1球」から右翼フェンス直撃のサヨナラ2点二塁打を放ち、劇的に4強進出を決めた。

 この日は「4番・阿部、5番・奥村凌大、6番・為永」と横浜高校勢が3人そろった。

 「横浜高校が並んでいて、つなぐ姿勢が思い浮かびました。何事も自分たちは諦めていないので、たとえ劣勢になっても、自分たちの力を信じてやった結果が、今日みたいな逆転ゲームになったという風に思います」

 逆境を楽しみ、はね返す。熱すぎた夏の神奈川の学びを、初秋の那覇で披露した。(加藤 弘士)

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