◆JERA セ・リーグ DeNA9―7巨人(14日・横浜スタジアム)

 気迫のスイングから、浦田が待望のプロ初打点をマークした。同点の2回1死二、三塁。

1ストライクから藤浪が投じた内角低め151キロ直球を捉えた。鋭い打球が一、二塁間を破る。2者を迎え入れるプロ初適時打で一時勝ち越しに成功した。「気持ちで打ちました」。吉川が負傷離脱する状況で、5月6日の阪神戦(東京D)以来、プロ2度目のスタメン起用に応える一振り。両手を掲げて、雄たけびを上げた。

 苦い経験からはい上がってきた。初先発した試合では三塁を守ったが、一塁送球がそれて岡本が打者走者と接触し、左肘を負傷した。「自分のせいで」と責任を感じた。

 打ちひしがれる中、岡本に謝罪の連絡を入れた。「大丈夫。気にしなくていい」という返信がきた。

それだけではない。5月以降、自身がファームで過ごす間はリハビリ中の主砲が何度も話しかけてくれた。寄り添ってくれた。「取り返すことはできないけど、自分のやるべきことをやるしかない」。覚悟を決めた。

 そう決意したから、もうへこたれなかった。テーマの一つは直球打ち。「2軍の時から真っすぐ中心に狙っていた」。振り負けないために筋力トレーニングも怠らなかった。13日の阪神戦(東京D)で約4か月ぶりに1軍昇格。この日は藤浪の剛球を打ち砕き、成長を示した。

 現在、チームの内野手は緊急事態となっている。

正二塁手の吉川がこの日、右脇腹痛で出場選手登録を抹消。13日には門脇が右でん部痛でファーム調整となり、増田大も左肩痛の影響で万全ではない。厳しい台所事情だが、浦田にとってはチャンスでもある。「5月に悔しい思いをした分、やり返したい。チームに貢献したい」。勢いに乗り始めたドラ2が新風を吹かせる。(宮内 孝太)

 ◆浦田 俊輔(うらた・しゅんすけ)2002年8月30日、長崎市生まれ。23歳。小学1年で大村クラブで野球を始め、長崎・海星では2年夏に甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入りし、通算打率3割9分2厘、37盗塁で3度の盗塁王。背番号32。年俸1200万円(金額は推定)。

171センチ、67キロ。右投左打。

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