◆高校野球秋季静岡県大会 ▽1回戦 三島北3-9島田工(14日・愛鷹球場)
開幕し、1回戦8試合が行われた。1962年の創部から64年目で初めて秋季県大会に出場した島田工は、三島北を9―3で下し、歴史的な初勝利を飾った。
島田工が歴史の扉を開いた。9回2死一、二塁、先発した今村陽成(2年)が最後の打者を直球で投ゴロに打ち取った。8回まで無失点も、最終回は先頭から4連打を浴びて3点を失ったエースは「喜びというよりも、ホッとしました」と胸をなで下ろした。先輩が成し遂げられなかった秋の県大会初出場からの初勝利。主将の高塚誠翔捕手(2年)は「1勝するために頑張ってきたので、その結果が出て良かったです」と表情を緩めた。
チームは県大会に向け、へその下にある丹田(たんでん)を意識した打撃強化に励んできた。成果が表れたのは1―0の7回だ。4安打に相手失策も絡み、打者9人の猛攻で5得点。勝利を手繰り寄せた。この回先頭で出塁し、流れをつくった渡部惣右翼手(2年)は「予選では打てずに仲間に迷惑をかけた。
新チーム結成時は、拙守のため守備を強化。打撃練習は全体の3割だった。県予選(8月)初戦の横須賀戦で9―0と快勝するも、安打は5本。続く代表決定戦の浜松城北工戦は3安打で2―8と敗れた。打撃時における上半身と下半身の連動性の悪さが目立っていた。解消するため、丹田に力を込めることを意識して、打撃フォームを修正。打撃練習も全体の8割に増やしたことがこの日の12安打につながった。
今大会唯一の初出場校の2回戦の相手は磐田東。中村監督は「失うものはないので、いろんなあの手この手でちょっとした穴をこじ開ければ」と更なる歴史的快進撃に意欲を見せた。
(伊藤 明日香)
〇…富士宮北は清水東に2-1。中村伊織投手(2年)が、1失点完投し、2大会ぶりの初戦突破に貢献。