高校野球秋季静岡県大会 ▽2回戦 静岡市立5x―4浜松工=延長10回タイブレーク=(15日・ちゅ~るスタジアム清水)

 静岡市立が浜松工を5―4で下し、3回戦に駒を進めた。タイブレークに持ち込まれた延長10回表に2点を先行されたが、その裏、適時打と暴投で追いつくと、なお1死二、三塁から8番・永友駿太一塁手(2年)が中犠飛を放ち、サヨナラ勝ち。

「みんながつないでくれたので打ちたかった。ちょっと詰まったけど、三塁走者が走ってくれて良かった」と、ヒーローが満面の笑みをこぼした。

 186センチのチーム最長身。新チーム発足当初は、左の大砲候補として5番に抜てきされた。だが、極度の不振で、打率は1割台に低迷。真面目すぎる性格も災いし、どつぼにはまった。あがいて苦しんでも状態は上がらず、ついには泣きながら安井信太郎監督(61)に助言を仰いだ。

 指揮官は「いくつかのポイントをアドバイスした」と、右膝が折れる癖と顔を残すことなど数点の改善点を指摘。「打順も気楽に打てるように8番に下げた」。状態は徐々に、上がってきた。大会直前にも、一からフォームをチェック。この日は1点を先行された3回の先頭打者で二塁打で出塁し、同点のホームを踏むなど2安打。

最後はチームに勝利を呼び込む大仕事を成し遂げた。

 今後クリーンアップに戻りたいか、という質問に対して永友は、「8番で結果が出ているし、チャンスも回ってくるので」と、遠慮気味。「ただ、どこの打順だろうが、自分のやれることをやるだけです」と、キッパリ。3回戦は島田工と磐田東の勝者と激突。静岡市立の「恐怖の8番打者」が、次もバットでチームに貢献する。

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