◆JERAセ・リーグ 阪神6―2中日(15日・甲子園

 阪神・佐藤輝明内野手(26)が9戦ぶりの37号から2打席連発、5打点の大暴れで40発が目前に迫ってきた。初回に左中間フェンス直撃の先制二塁打を放ち、迎えた3回1死一塁の第2打席。

松葉の変化球を完璧に捉え、バックスクリーン右に運ぶ37号2ラン。「コンタクトを意識して」というスイングで、メジャーでも上位の打球速度180キロをマークした。あっという間にスタンドに突き刺さる驚がくの一撃で虎党を喜ばせた。

 さらに5回2死一塁の第3打席には、近藤の直球を左翼ポール際へ38号2ラン。豪快な前打席とは打って変わって、右翼から左翼へ吹く甲子園特有の浜風に乗せる芸術弾。今季の覚醒を象徴するような2発だ。「あそこは、甲子園の一番入りやすいところ」。入団以来、苦しんできた“天敵”も味方につけた今季初の2打席連続弾に胸を張った。

 昨年9月30日に亡くなり、宮城県内でこの日、一周忌が行われた祖父・勲さん(享年85)へささげる2発。「常にそういう気持ちはありますから」と敬老の日に、かみしめた。これで自己最多を更新する96打点に到達。新人から5年目までの通算で406打点とし、長嶋茂雄の404打点を超えた。

 チームは12球団一番乗りで80勝に到達。藤川監督は「2本とも素晴らしいホームランだったし、いい敬老の日になりましたね」と笑顔を見せた。プロ生活を阪神でスタートさせた選手では、85年・掛布以来となる「40発&100打点」も射程に捉え、「残り試合も楽しみながら、いけるところまでいきたい」。残り11戦。ミスタータイガースの領域に進む。(直川 響)

編集部おすすめ