◆日本選手権大会近畿地区最終予選▽1回戦 サムティ2―1島津製作所(15日・わかさスタジアム京都)

 社会人野球の日本選手権近畿地区最終予選が15日、開幕した。サムティは元阪神・尾仲祐哉投手(30)が5回2安打1失点と好投。

元オリックス内野手の小川博文監督(58)を体調不良で欠くなか、島津製作所を2―1で振り切り、白星発進した。三菱重工Westは元阪神・北條史也三塁手(31)の本塁打などで、17―2とルネス紅葉スポーツ柔整専門学校に大勝した。

 経験豊富な“お兄ちゃん”が先頭に立ち、サムティを引っ張った。5回、1点差に迫られた。なお2死二塁。尾仲が115キロの変化球で打者を三ゴロに打ち取ると、ベンチが沸いた。一打同点のピンチを脱し、継投で勝利。右腕は「全然だめっす。5回で降りたのは情けない」と厳しく自己評価したが、ベテランの経験値が勝利を呼び込んだ。

 総合不動産会社が抱えるチームは、1月から本格始動。小川監督が日本中を駆け回って選手を集めた。尾仲も「プロの経験をチームメートに教えてもらいたい」と声をかけてもらった一人。

21人の新卒入社メンバーとは8学年差。チームを引っ張る役割が与えられ、指揮官不在のこの日も躍動した。

 投手陣は悩みを尾仲に相談するという。オフの日には一緒に遊びに行くほど、年齢の壁はない。「若い選手たちと良い環境でやらせてもらってます」と謙虚な30歳。プロの世界で得た経験を新しいチームのために生かす。(藤田 芽生)

 ◆尾仲 祐哉(おなか・ゆうや)1995年1月31日、福岡・北九州市生まれ。30歳。高稜高では甲子園出場なし。広島経大を経て、2016年ドラフト6位でDeNA入り。18年、阪神移籍。23年、ヤクルト移籍。

今年からサムティ入り。プロ通算45試合に登板し、1勝3敗。防御率6・08。173センチ、75キロ。右投左打。

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