巨人の戸郷翔征投手(25)が、エースとしての考えを記す随時掲載のコラム「進化」。第3回は、シーズンも残り11試合に迫り、阪神にリーグ優勝を決められた中での率直な思いをつづった。
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今シーズンも残りわずかとなりました。次は17日のヤクルト戦で先発します。ここ数試合は先発があまり長いイニングを投げることができていないので中継ぎの疲労とかそういうことも考えないといけないですし、もちろん目の前の1試合に全力を尽くすことが一番。今は3位ですが、しっかり上を見て、2位で何とかCSに行かないといけないと僕らは思ってますし、1試合1試合大事になるんじゃないかなと思います。先を見るよりは目の前の1試合。その気持ちに乗っていけたらなと思います。
阪神がリーグ優勝を決めました。昨年リーグ優勝を経験して、やっぱり僕らはあの景色を見るべきでしたし、見なきゃいけなかった立場。テレビでその瞬間を見ていましたが、いろんなことを感じた瞬間でした。阪神の才木さんとはお互い今季の序盤はあまり調子が上がらずに「こういう年もあるんだね」って話をしたこともありました。ただ今では才木さんは12勝。
僕自身がもっといい成績を出せれば、よりチームにいい流れを呼び寄せられていたのかな、と思うことばかりです。もちろん自分に勝ちがつくことがいいですけど、負けがつかないことも大事。チームの柱となるべき人は、そうでなくてはいけないと思うんです。才木さんとはCSなどで投げ合いたい。そのためにも頑張ります。
8月19日のヤクルト戦(神宮)では8回131球を投げて2失点はしましたが、勝利をつかみ「あっ! これいいきっかけになる!」と個人的に思った試合でした。特に最後の村上さんとの対戦は直球で勝負。村上さんはいつメジャーに行くかも分からないですしね。日本一のバッターですし、そういうバッターとの対戦は楽しんでいましたし、力も入りましたし、いいものも出せました。
ただ、まだ僕は走者を出してからの投球に課題が見られます。大胆に行くことも必要ですし、引くところは引く。
やっぱり僕は開幕投手に選んでいただいたので、最後の最後まで、チームのためにやりたいなと思っています。今季は2度の2軍降格もあり、ここまで6勝8敗。ふがいない結果が続いていました。もちろん悔しいです。ただもう残り試合は割り切って、どんな成績になろうとも、最後に終わった時に自分がチームのためにこういうことができた、という成果が得られるといいなと思うんです。成果がないのであれば、また同じことをすると思います。やっぱり本拠地でCSの初戦を迎えたいですしね。残りの試合、CS、日本シリーズと、チームの力になれるように頑張っていきたいと思います。
◆今季の阪神・才木 初登板となった4月1日のDeNA戦(京セラD)は6回途中4失点で敗戦投手になるなど、自身は開幕連敗。4月は5試合に登板し2勝3敗、防御率2.97だった。しかし5月20日の巨人戦(甲子園)で初完封し防御率は1.99と1点台に。