オリオールズの菅野智之投手の次回登板が、20日(日本時間21日)の本拠地でのヤンキース戦に決まった。球団が発表した。
前回登板からピッチコムを装着し、自らサインを出すスタイルに変えた。
「(装置をつけて)練習はやってきたので、大丈夫でした。僕の強みは色んなボールをどのカウントでも投げられること。来年のことも考えて、コンビネーションを使いながら投げられたので良かった」。ブルージェイズ戦では6回1失点。球数63球と省エネ化にも成功した。
ジレンマを打破するための新しい試みだった。捕手陣の負傷が相次いだ今季、チームは球団記録となる7人の捕手が登録させた。「僕にとっては異常なこと」(菅野)。
オリオールズ先発陣では、ブラディッシュやロジャーズがピッチコム装着派。捕手出身のチリノス・ベンチコーチは「投手がサインを出せるなら、その方がいい。首を振ってサインを変える手間や、投手がプレートを外す時間もなくなるのでスピード化できる」と歓迎する。登板間に、グラブの中にピッチコム装置をつけて投げる練習を重ね、前回登板で実践した。
入団会見でオリオールズに決めた理由の1つに、正捕手ラッチマンの存在をあげた。キャンプから試合を重ね、信頼関係を築き、シーズン途中には「これ程、バチバチ、サインがあうものかと思った。これだけの関係を築けたのは嬉(うれ)しい」と喜んだのもつかの間、正捕手は右脇腹痛で2度目の戦列離脱…。個人の思いだけでは、あらがえない葛藤もあったことだろう。
オフには再びFAとなる菅野が「来年」を視野に入れ、布石を打ったピッチコム装着。来季どこで投げていようとも、自ら配球ができれば、ストレスは減る。更なる飛躍を目指し、残り2登板、全力を尽くす。