19日の金曜ロードショー(後9時)は、”アンジー”ことアンジェリーナ・ジョリー主演のディズニー実写作品「マレフィセント」(2014年)がノーカット放送される。
先週放送された「眠れる森の美女」を、悪役であるマレフィセントの視点から描いた物語。
邪悪な妖精のマレフィセントは、かつては森の中で他の妖精たちと仲良く暮らす、純真な少女だった。だが、ある出来事がきっかけとなり、人間を憎むようになる。そんな中、人間が住む隣の王国に女王・オーロラ姫が誕生した。
誕生パーティーに乗り込んだマレフィセントは姫に呪いをかける。王は呪いから逃れようと、良い妖精たちに森の中でオーロラ姫をかくまうよう指示するが、妖精たちの子育ては失敗ばかり。そんな様子を目にしたマレフィセントの中に、オーロラ姫を見守るという不思議な感情が生まれ始めた。やがて、呪いが現実のものとなるオーロラ姫の16歳の誕生日が近づいてきた…。
ちょっとだけネタバレになってしまうが、先週のアニメでは王の”仲間”だと思っていたオーロラ姫を育てる3人の妖精が冒頭、マレフィセントと一緒にいる時点で「あれ?」と思うかもしれない。あらすじにも書いたように、本作のマレフィセントは最初はヴィラン(悪役)ではない。「スター・ウォーズ」シリーズの言葉を借りるならば、ある出来事で「ダークサイドに落ちる」ことで、おなじみの姿となる。
ただ、アニメ映画のマレフィセントが「徹底的に悪」なのに対し、本作では”闇落ち”した後も、そうは描かれていないところが面白い。その意味では、本作は「眠れる森の美女」の「はじまりの物語」というよりも、パラレルワールド的な「もう一つの物語」として見たほうがいいだろう。
ところで、本作でアンジーは実の娘と「親子共演」をしている。オーロラ姫の幼少期を演じているのが、ブラッド・ピットとの間に誕生した三女のヴィヴィアン・マーシェリン・ジョリー・ピット。当時5歳だった。
白羽の矢が立ったのは、親子ならではの理由だった。オーディションの際、候補の子役たちは全身黒ずくめの衣装に立派な角、黄色い目をしたアンジーの姿に恐れをなし、近づくことができなかったという。だが、実の娘であるヴィヴィアンの目には、マレフィセントの姿をしていたとしても、当然のごとく「母」として映っている。「怖がらずにマレフィセントと戯れてくれる」ことから実現したキャスティングだった。
ただ、意志の強さは母親譲りだったそうで、ヴィヴィアンは撮影初日の走る演技をかたくなに拒否。アンジーは、ブラピと協力して、一緒に遊んでいるような雰囲気づくりをして撮影を進めたという。8年間もの調停期間を経て、昨年ついに離婚が成立した2人だが、当時はそろって”親ばか”だったようだ。