◆札幌六大学野球秋季リーグ戦第2節第2日 北海学園大5―0北海道大(19日、大和ハウスプレミストドーム)
6月の全日本大学選手権8強で、リーグ戦春秋連覇を狙う北海学園大が5―0で北海道大を下した。コンディション不良で前半戦の第1節を欠場していた最速159キロ右腕・工藤泰己(4年=北海)が8回から2番手で登板し、無安打無失点で抑えた。
北の豪腕が完全復活だ。4点リードの8回。工藤が、6月に行われた全日本大学選手権2回戦・佛教大戦以来の公式戦登板を果たした。「少ない球数で抑えることを目的にマウンドに上がった。(力感は)7割くらい」。2死から、この日最速となる156キロのツーシームで左飛に打ち取り、1イニングを3人で片付けた。
今秋のリーグ戦開幕後に首を痛めた。「枕を変えたら寝違えた。無理したら投げられたけど、キャッチャーの方向を見られなかった」と、第1節は登板を回避していた。同節3戦目以降はベンチからも外れていたが、この日はツーシームを含めた直球系の平均球速で154キロをマーク。全9球中8球がストライクと制球も安定していた。
99日ぶりの公式戦登板を終え、「ほぼぶっつけ本番というか多少の不安はあったけど、毎日自分のできることをやってきたので、それがうまくハマった。
リーグ戦終了後にプロ志望届を提出予定で、この日も9球団のスカウトが視察した。プロ入りに向けてアピールを続けていくが、首位と1勝差の2位につけるチームの勝利が最優先だ。右腕は「スピードを上げたままロングイニングを投げるコツを今日つかんだ。(欠場した)1節の分も頑張ります」。残り3戦。逆転優勝を目指す王者・北海学園大に貴重な戦力が帰ってきた。