◆JERAセ・リーグ 中日3―0ヤクルト(20日・バンテリンドーム)
今季限りでの現役引退を表明している中日・祖父江大輔投手が、引退試合に登板した。3―0の8回に登板。
この日の練習では、全選手がオリジナルTシャツを着用。球場の通路には、広島の栗林や、元チームメートでナショナルズの小笠原らから贈られた花が並べられた。
試合後のセレモニーでは、中日入団や最優秀中継ぎ投手賞を獲得した2020年の映像などのメモリアル映像が流れた。元チームメートの日本ハム・福谷や、巨人のマルティネスからのビデオメッセージも寄せられた。
スピーチの冒頭では「頭が真っ白ですが、紙を持ってくるのを忘れたので、今、思ってることを話します」と笑いを誘い、目頭を熱くしながら、感謝の思いを伝えた。以下はスピーチの全文。
まず、始めにこのような引退セレモニーを企画していただいた中日ドラゴンズ関係者の皆様、ヤクルトスワローズ関係者の皆様、最後まで残ってくれたファンの皆様、ありがとうごあいます。
頭がまっ白なんですけど、紙を持ってくるのを忘れました! なので思ったことをしゃべりたいと思います!
12年間ドラゴンズにお世話になりました。その時間は僕にとって、最高の時間でした。12年間、いろんな方に支えられ、ここまでやってこられました。最高の仲間と出会い、僕は幸せ者です。
そして大野雄大、田島慎二、高橋周平と3人で優勝して、おいしいお酒を飲もうという目標は達成できませんでしたけど、来季からの3人の活躍を楽しみにしています。本当、ロッカーで、いろんな話をしたかったなと思います。もう大野のおならのにおいがかげないと思うと、泣きそうになります。
そして、今まで近くで支えてくれた妻、子どもたち。球場に行く前に「頑張ってね」と言ってくれる言葉がパパの一番の活力でした。これからはパパの応援はできないと思うけれど、パパが全力であなたたちの応援をします。
そして父ちゃん、母ちゃん、野球を教えてくれてありがとう! 父ちゃんと野球を始めて、ここまでやれたのは、本当に父ちゃんが原点だからです。またゆっくりキャッチボールでもしよう!
最後ですが、多く残ってくれたドラゴンズファンの皆様、スワローズファンの皆様、(登場曲の)宙船が流れて、大きな声援を送っていただき、ありがとうございました。本当に力になりました。きょうは三振を取るぞと意気込んできたんですけれど、まさかのセンター前を打たれてしまい、井上監督から「おまえらしいな」と言われました。自分らしさが分かりません。井上監督、ありがとうございました。
もう頭がまっ白になりました。ここで終わりたいと思います。本当に16年間…間違えました。12年間でした、12年間!最高の野球人生をありがとうございました!