◆JERAセ・リーグ 中日3―0ヤクルト(20日・バンテリンドーム)
今季限りで現役を引退する中日・岡田俊哉投手の引退セレモニーに、智弁和歌山高時代の恩師・高島仁 野球部名誉監督がサプライズ登場した。
花束を抱えて、ゆっくりと歩み寄ってきた高島名誉監督の姿に、こらえていた涙がこぼれた。
岡田はこの日、引退試合に先発。1番に座ったヤクルト・村上を、144キロ直球で見逃し三振に抑えて、降板した。スタンドからの「岡田コール」に笑顔で頭を下げると、2番手・高橋宏と熱く抱擁。山井投手コーチやナインからのねぎらいを受けて、ベンチではあふれる涙をタオルで拭った。
以下は、引退セレモニーでのスピーチ全文。
16年前、ドラゴンズのユニホームに袖を通し、私のプロ野球生活がスタートしました。先輩たちに追い付きたい、どうすれば同じ舞台で戦えるか、16年間自分なりに必死にもがき、考え、やってきました。
そして、今日このバンテリンドームで温かいドラゴンズファンの皆さんの前でユニホームを脱げることを幸せに思います。これまで支えてくださった監督、コーチ、一緒に戦ったチームメート、きょうまで体の管理をしてくれたトレーニングコーチ、トレーナー、練習のサポートをしてくださったチームスタッフ、全ての方々のおかげで16年間現役を続けることができました。本当にありがとうございます。
この場を借りて、改めて感謝を伝えさせてください。小学校2年生から野球を始め、野球中心の生活になり、迷惑をたくさんかけたとおもいますが、好きな野球を目いっぱいやらせてもらい、プロに行きたい自分の意思を尊重してくれた両親、本当に感謝しています。ありがとうございました。
プロへの背中を押してくださった高島先生、大学進学を希望していた僕におまえはプロで勝負しろと言ってくださいました。あの言葉がなければ今の僕はいません。
16年間一番近くで支えてくれた妻。ここ数年は大きなけがもあり、僕以上に大変だったと思います。でもいつも前向きな言葉をかけてくれて、僕は前を向くことができました。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう。
三人の子どもたちへ。いつもパパの応援をしてくれてありがとう。みんなの笑顔がパパの活力になっていました。これからはパパがみんなを応援する番です。それぞれ夢や目標を持ち、一緒に頑張っていきましょう。
そしてあの大けがから再び支配下登録してくれた井上監督をはじめ、復帰させるためにサポートしてくれた方々、待っていますといつも声をかけてくれたファンの皆様、僕をまたバンテリンドームのマウンドに立たせていただき、本当にありがとうございました。あの歓声は一生忘れません。
最後になりますが、本日、こんなに素晴らしいセレモニーを開いてくださった関係者の皆様、お付き合いいただいたスワローズ関係者の皆様、最後まで残ってくださったドラゴンズファン、スワローズファンの皆様に心より感謝申し上げます。いいときも悪い時も全部含めて幸せなプロ野球人生でした。16年間、本当にありがとうございました。