◆米大リーグ ドジャース6―3ジャイアンツ(19日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が19日(日本時間20日)、本拠地・ジャイアンツ戦に「1番・DH」でフル出場し、C・カーショー投手(37)のレギュラーシーズン本拠地最終登板を飾る逆転の52号3ランを放った。ド軍は13年連続となるポストシーズン(PS)進出も決定し地区優勝マジックも「4」に。
5万3037人が集まった本拠地が総立ちになった。1点を追う5回2死一、二塁。大谷は21年サイ・ヤング賞左腕・レイの外角高め95・5マイル(約153・7キロ)の直球を捉えた。左翼ポール際へ52号逆転3ランだ。「バットに当ててフィールド内に収めたいなと思った。いいコースだったけど、ファウルにならずに、しっかりと打ち切れて良かった」とうなずいた。
技ありのアーチだ。スイングの始動を遅らせ、逆方向へはじき返した。スイングスピード69・0マイル(約111・0キロ)は今季の本塁打の中では最遅。打球速度100・2マイル(約161・3キロ)も今季2番目の遅さだ。豪快なフルスイングはできなかったが、ギリギリまでボールを見て対応した。
第1打席は中飛、第2打席は中直とレイに全球直球勝負を挑まれ凡退。第3打席も直球4球で追い込まれた。変化球も頭によぎる中、この日10球目の直球を捉えた。真っすぐならいつでも打てると言わんばかりの対応力。「打った瞬間いくなとは思った。その前の打席もいい捉え方をしていたので、自信をもって打席に入った」。3年連続本塁打王へ、シュワバーに1本差に迫った。
前日18日に現役引退を発表したカーショーが先発。5回途中で降板すると、ベンチでハグを交わした。試合前まで12本連続でソロだった大谷が思いを受け取り、直後の打席で通算222勝左腕の負けを消す一発。「勝ててホッとしている。カーショーの記念すべき日に、しっかりと勝ちで終われたのがすごく大きい」。
Dバックスが敗れたため、試合中に13年連続PS進出が決定。1991~2005年まで14季(ストライキで公式戦途中打ち切りの94年を除く)で出場したブレーブスに次ぐ連続記録となった。PS進出が決まるとシャンパンファイトを行うチームもあるが、常勝軍団のド軍はクラブハウスで「OCTOBER Baseball」(10月の野球)と書かれたTシャツを着て、シャンパンで静かに祝杯。大谷も「まずはポストシーズン進出を決められたのは本当に大きいと思うので、また明日切り替えて頑張りたい」と気を引き締め直した。
昨季は同じ9月19日に3本塁打などの大暴れで「50―50」を達成し、PS出場が決定。そのまま世界一まで一気に駆け上った。今季は2戦先取のワイルドカードシリーズからの出場が濃厚。頂点までは昨季以上の勢いが必要だ。逆転3ランは、22年8月31日のヤンキース戦以来3年ぶり。勝負強さも兼ね備え、上昇気流に乗ってきた。(安藤 宏太)