◆JERA セ・リーグ 巨人3―1広島(20日・東京ドーム)
大歓声に包まれると、大勢は顔を赤らめながらガッツポーズした。3―1の8回にマウンドへ。
今季は昨年まで担った守護神をマルティネスに託し、主に8回に降臨。自己最多の60登板に到達するなどフル回転し、12年の山口鉄也に並ぶ球団最多タイの44ホールドをマークした。「山口さんは鉄腕って言われてすごい方で僕も憧れもある。ただ僕はまだ1年しか、山口さんに並べてない。山口さんは何年もそれを続けている。新しくそういう選手が出てこないといけないと思いますし、自分がその一人になりたい」。偉大な先輩の背中を追って、さらなる研さんを積む覚悟だ。
刺激にしてきたのは、同学年の阪神・湯浅だ。1年目には新人王を争い、23年WBCでは侍ジャパンで同僚に。
復活を遂げた湯浅は、リーグ優勝を決めた7日の広島戦(甲子園)で4勝目を挙げた。活躍の裏側を思うと、自然と気合が入った。「落ち込んでいるのは表に出さないんですけど、目に見えないところで相当頑張ってきたはず。大事な友達ですけどライバル。プレーボールがかかったら負けたくない。彼と戦うためにも僕も頑張ろうって、思わせてくれる存在」。固い絆で結ばれた友人との熱き戦いのためにも負けられない―。まずはCSファイナルステージまで勝ち進み、戦友との投げ合いを実現する。
阿部監督は連投中の大勢について21日の中日戦(バンテリンD)での3連投も示唆した。右腕は「今年は(3連投を)やれてないので、やれるチャンスが来てほしい。そうなる場合は田中(将大)さんの200勝も近づいてる状況。自分のパフォーマンスを発揮してチームの力になりたい」と真っすぐ前を見据えた。勝利のために、強い気持ちを持ってマウンドに立つ。(水上 智恵)
◆村田真一Point 60試合投げて防御率は2点ちょっと。素晴らしい数字と思う。マルティネスが怪物なだけでね(笑)。大勢に首脳陣は頭の下がる思いなんやないかな。今季は直球が暴れることが少なくなった。スライダーもうまく使えるようになったしね。この試合に限れば調子がよかったから、真っすぐで押したんやと思う。