◆秋季兵庫県大会▽2回戦 東洋大姫路5X―4関西学院=延長10回タイブレーク=(20日・ウインク)

 今夏甲子園8強の東洋大姫路が、秋初戦で辛勝した。2―4の延長タイブレイク10回。

1死二、三塁で公式戦初出場の藤本亜怜二塁手(2年)が右翼ポール直撃の劇的サヨナラ3ラン。「9回表に守備でエラーして、仲間に助けてもらった。自分が何とかしてやろうという気持ちだった」。負ければ来春センバツ出場が絶望的となる窮地を脱した。

 前チームは、下級生の時から経験を積んだ阪下漣、木下鷹大の両投手(ともに3年)らが原動力となり、秋春夏の県3冠と春夏の甲子園出場を達成した。一方、新チームに残ったのは代打などで出場した4人のみで、岡田龍生監督(64)は「かわいそうやけど、前チームとは、この時期に出ている公式戦の数が違う」と経験不足を指摘。藤本も「自分たちも何とかしないといけないと思う」。無敗で受け継いだバトンに、重圧を感じずにはいられない。

 それでも、新チーム結成から約1か月で迎えたこの日の初戦を制し、県内の公式戦連勝を「21」に伸ばした。指揮官は「“徹底力”をつけろと言っている。前のチームは個々それぞれがやるけど、そこまで“徹底力”があったわけではない」。藤本らナインは偉大な先輩の背中を追いかけ、勝ち星を重ねていく。

(瀬川 楓花)

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