◆秋季高校野球静岡県大会2回戦 磐田東4―3島田工(20日・磐田)

 2回戦8試合が行われ、磐田東が島田工に4―3で逆転勝ちし、2年連続で3回戦進出を決めた。中学時代に全国大会優勝経験を持つ期待の1年生・阿部琉生(るい)中堅手が1番打者として3安打2打点と活躍。

1―3の7回1死二塁の場面では、中堅へ適時二塁打を放ち、自らも俊足を生かして同点のホームを踏んだ。常葉大橘は磐田北に4―1で勝利し、6年連続の2回戦突破を果たした。

 磐田東の阿部は1―3の7回1死二塁、外角直球を中堅にはじき返した。相手守備のもたつきを見逃さず、快足を飛ばして二塁打にした。さらに2死三塁から、礒金海里三塁手(1年)の一塁内野安打の間に、同点のホームを踏むと雄たけびを上げた。「ここで同点に追いつけなかったら苦しかった。運を持ってこられた」。8回の犬塚晴翔二塁手(1年)の決勝打への流れをつくった。

 岩手県出身で、磐井中3年時には、宮城仙北ボーイズの正捕手として夏の選手権では東北勢初優勝に輝き、MVPに選出された。県内外複数校からの誘いがあったが、赤堀佳敬監督(32)の下で成長したいと甲子園出場のない磐田東への進学を決めた。「自分が絶対に甲子園に連れて行って、(監督を)男にしたい」と強い意志を口にする。

 全守備位置をこなせる万能選手は、50メートル走6秒0の俊足を生かすため、秋から1番を務める。

夏の県大会で、左肘の剥離(はくり)骨折と靱帯(じんたい)損傷を負った。打撃や送球もできなかったが、筋力強化に励んだ。体重は夏の58キロから6キロ増量。その成果がこの試合で表れた。

 23日は静岡市立と8強を懸け対戦する。今夏の1回戦でも対戦し、7―5と勝利も、阿部は3打数無安打だった。目標とする来春センバツ出場へ「チームのためにという意識で絶対に勝つ」と早くも気合十分だ。(伊藤 明日香)

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