第102回箱根駅伝予選会は10月18日、東京・立川市などで行われる。各校12人以下がハーフマラソンを一斉スタートし、上位10人の合計タイムで10枠の出場権を争う。

東洋大時代に4年連続で予選会を走り、突破も落選も経験した本紙箱根駅伝担当の竹内達朗記者(55)が、過酷な戦いを「占う」。

 今回、暑熱対策のため、スタート時間が前回までの午前9時35分から午前8時30分に変更される。少しは暑さを回避されることが見込まれるが、10枚の箱根行き切符を巡る戦いが“熱い”ことには変わりはない。

 競技人生をかけたレースに臨む選手に最大限の敬意を示した上で予想する。

 予想の参考材料となるのは、昨年10月の箱根予選会と今年5月の全日本大学駅伝関東選考会の実績だ。箱根予選会はハーフマラソン10人(計約210キロ)、全日本選考会は1万メートル8人(計80キロ)の合計タイムで争う。人数と距離は異なるが、本質は同じ。失敗が許されないチーム戦で求められるのは、「速さ」ではなく「強さ」だ。

 今年5月の全日本選考会は箱根シード校の中大がトップ通過。2~7位通過は大東大、順大、日大、東海大、中央学院大、日体大だった。箱根シード校の東洋大も落選するほどのシビアな戦いを勝ち抜いた6校は、箱根予選会も通過【圏内】にいるだろう。

 特に大東大と日体大は【有力】とみる。

大東大は昨年はシード校だったため、箱根予選会を回避したが2、3年前はトップ通過。エースの入浜輝大(4年)、棟方一楽(3年)が箱根予選会を経験していることも強みだ。

 大会史上最長の78年連続78回目の出場を目指す日体大は、上級生が充実。箱根予選会には7年連続出場で、良くも悪くも戦い方を熟知している。万が一、落選した場合、歴史的な“事件”となる。プレッシャーは大きいが、それをはね返す力を持っているはずだ。

 前述の6校が順当に通過した場合、残る枠は4。神奈川大、法大、立大、山梨学院大、駿河台大、明大、東農大、専大、国士舘大の9校が【ボーダーライン】で激しく争うのではないか。東農大は、本来であれば外国人留学生と同等の走力があるエース・前田和摩(3年)の調子が鍵を握る。

 今年、徳本一善監督(46)が就任した芝浦工大を始め、指導体制を一新した拓大、麗沢大などは【ワンチャンス】突破の可能性があるだろう。

 ここまで22校。それ以外のチームは自らが100%以上の力を発揮した上で、多数の上位校にアクシデントが発生した場合に【ミラクル】が起こりうる。

 失礼を承知で、私が低い評価をした大学が活躍した時は、自身の眼力を恥じた上で心から祝福したい。(竹内 達朗)

 ◆本紙予想

 【有力】

 大東大、日体大

 【圏内】

 中央学院大、順大、日大、東海大

 【ボーダーライン】

 神奈川大、法大、立大、山梨学院大、駿河台大、明大、東農大、専大、国士舘大

 【ワンチャン】

 芝浦工大、拓大、麗沢大、亜大、筑波大、上武大、日本薬科大

 【ミラクル】

 流通経大、桜美林大、慶大、武蔵野学院大、明学大、平成国際大、東京経大、立正大、関東学院大、育英大、湘南工科大、東大

 ◆第102回箱根駅伝予選会開催要項

 ▽日時、コース 10月18日午前8時30分、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地をスタート。立川市街地を回り、国営昭和記念公園にゴールする公認コースのハーフマラソン(21・0975キロ)。世界陸連の世界ランク対象競技会でもある。

 ▽競技方法 全選手が一斉スタート。各校、10~14人の登録選手の中から10~12人が出場し、上位10人の合計タイムで争う。留学生は登録2人以内、出場1人以内。上位10校が本戦の出場権を獲得する。

 ▽出場資格 関東学生陸上競技連盟男子登録者で24年1月1日~25年10月5日の有効期間内に1万メートル34分以内またはハーフマラソン73分以内の公認記録を有すること。

学生連合チーム編成変更…チーム枠導入 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟は6月、第102回大会(来年1月2、3日)から予選会で敗退したチームの選手で編成され、オープン参加する関東学生連合チーム(登録16人)の編成方法を変更することを発表した。なお、外国人留学生選手は選出対象にならない点に変更はない。

 〈1〉前回まで予選会落選校の中でハーフマラソン個人順位の上位16人(各校1人)が選抜されていたが、第102回大会からチーム枠10人と個人枠6人で編成する。

チーム枠は予選会の落選校の上位10校(総合11~20位)に1枠ずつ与え、選考は各校に委ねられる。個人枠は予選会総合21位以下のチームで個人順位の上位6人(各校1人)が選抜される。

 〈2〉出走の上限回数は1回から2回に変更される。

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