プロレスラー船木誠勝(56)のデビュー40周年記念大会「蘇ったサムライ 闘宝伝承2025」(21日、大阪・梅田スカイビル ステラホール)が開催され、長男の船木ライアン(20)が格闘家デビューし、前田日明、ザ・グレート・カブキ、獣神サンダーライガー、山崎一夫の各氏らレジェンドが祝福に駆けつけたが、現役選手として出場したレジェンドが、師匠の“組長”藤原喜明(76)と“義足の青春”谷津嘉章(69)だ。
第5試合のスペシャル6人タッグマッチで、藤原はアレクサンダー大塚、菊田早苗とタッグを組み、谷津は金本浩二、田中稔を従えて対戦した。
谷津が幻のモスクワ五輪(1980年、日本がボイコット)のレスリング代表として、新日本プロレスに入団した80年に、道場でコーチだったのが“関節技の鬼”藤原。船木が入門する4年前の話だ。
船木が入門した84年当時は、谷津が維新軍、藤原が新日本正規軍のテロリストとして、血みどろの抗争を繰り広げ、当時、金曜夜8時のゴールデンタイムに放送されていたテレビ朝日系「ワールドプロレスリング」のメインイベンターだった。藤原はその年にUWFに移籍し、前田、船木へと続く、格闘プロレスの系譜を作る。
昨年7月14日の「闘宝伝承2024」(大阪)でタッグマッチでリング再会した両雄。マッチメイクした闘宝伝承・ユカワヨシチカ代表は「あの時代の新日本の道場でしのぎを削ったレスラーは本物。何歳になっても2人は手が合うんですよ」と信頼しきっている。
今回はさらにエキサイトした。得意技のブルドッキングヘッドロックを決めるなど、障がい者の可能性を追求する谷津。
今でも鉄柱とロープをつなぐ金具に自らの頭を打ち付け、音を鳴らせて歓声を浴びるなど石頭が自慢の藤原は、額を押さえながら控室に戻り「義足って痛ぇな。船木40周年? 俺は40周忌かい?」とニヤリ。谷津は「こうやって元気なところを見せないと、障がい者が表に出てこられないでしょ。レスリングの大会でも健常者しか相手がいないのはさみしいから」と訴えた。2人のヨシアキのリングでの役割は、まだまだありそうだ。