10月5日に行われる凱旋門賞・G1(パリロンシャン競馬場)でアロヒアリイ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎、父ドゥラメンテ)に騎乗するクリストフ・ルメール騎手=栗東・フリー=が母国での悲願達成に向けて、意気込みを語った。
初コンビとなった前走のギヨームドルナノ賞(8月16日、ドーヴィル競馬場)では2着のラシャバーに3馬身半の差をつけて快勝した。
負かした相手のなかには、フランスダービーで2着のクアリフィカー(フランスの名門、アンドレ・ファーブル厩舎)がいた。決してまぐれでは勝てない相手だった。「クアリフィカーはニエル賞を勝ちました。グッドラインです」と笑みを浮かべた。ニエル賞の結果も、鞍上を勇気づけた。
しかし、勝ったのはあくまでも前哨戦。「凱旋門賞は多頭数ですし、馬場コンディションも当日までわからない。違うレースになると思います」と気を引き締めた。特に気になるのは馬場状態。ドーヴィルとパリロンシャンでは全く違う。
フランスで生まれ育ったルメール騎手にとっては、言うまでもなく、是が非でも勝ちたいレースだ。「凱旋門賞にはいい思い出があまりないです。プライド(06年2着)の時も悔しかった。ほかの日本馬でもだめだったし、今年は頑張りたい」と意気込んだ。今回が14回目の挑戦。「エイダンの馬(ミニーホーク)やジュドモントの馬(カルパナ)も強いけど、チャンスはあります。フランス人として、ぜひ勝ちたいです。いい挑戦になると思います」。15年にJRAの通年免許を取得し、多くのビッグレースを勝ってきた鞍上が、日本の馬で悲願をかなえる。