巨人・田中将大投手(36)が史上4人目の日米通算200勝を懸けて30日の中日戦(東京D)に先発することが29日、決まった。3位が確定し、レギュラーシーズン最終カードで偉業達成のチャンスが巡ってきた。
持てる力、全てを注ぐ。田中将は己を鼓舞するように秘めた思いを言葉にした。G球場での最終調整を終えると、今季最終登板に向けて大きく息を吸った。
「200、200(と言われるが)、そこはもう結果でしかない。そこを考えて投げることは一度もない。投げる試合に勝つために目の前のやるべきことをやる。そしたら結果が後からついてくると思う。立ち位置(的に)も、CSに向けての調整がどうとかではもちろんない。とにかく、マウンドに立っている間はベストを尽くして、その日自分に出せる力を全部出しきって降りたい」
最後にワンモアチャンスが巡ってきた。28日に逆転2位の可能性が消滅。
まずは負の連鎖を止める。投手陣は9月、21試合で15度も初回に失点。現在5戦連続、直近9戦中8度立ち上がりに崩れている。百戦錬磨のベテランはメンタル面もキーに挙げ、竜打線へのリベンジを誓った。
「打席が多く回るようにいい打者から始まるわけだから入りの難しさは当然ある。『どうにかしなあかん』って皆が思ってる。だけど、先に結果に気を取られてしまうといいことはない。いつも言うように意識は1球1球、アウト1つずつ積み重ねていくとこだけ」
2勝4敗で次が10登板目。
「切り替えて前に進むこと。それはもう生活の一部。朝起きて歯を磨くのと一緒。今日一日をどう過ごしていくか、整理して、処理して、前に進んでいく。その繰り返し。ずっといい気分で過ごせるのが一番いいけど、仕事をやっていて全てが全てうまくいくわけじゃない」
戦力として日本一に貢献する。CS、日本シリーズ…先を見据えて燃えている。
「(周りから)『お、いけんじゃねえか?』って。そうなりたい。プレーオフに入っていくと3位のチームが日本一になるチャンスがある。(短期決戦は)勢いあるもん勝ち。
過去3人しかいない日米通算200勝へ、ありったけの力を東京Dで解放する。(堀内 啓太)