◆JERA セ・リーグ 巨人―中日(30日・東京ドーム)
元日本ハムの斎藤佑樹氏(37)が、巨人・田中将大投手(36)の日米通算200勝達成を祝福した。
同じ1988年生まれ。
「あの夏からもう19年ですね…」と、感慨深げに切り出した斎藤氏。2人が対戦したのは2006年8月20日、第88回全国高等学校野球選手権大会の決勝だった。田中は駒大苫小牧の夏の甲子園3制覇、斎藤氏は早実の初優勝を目指してともに背番号「1」をつけてマウンドに上がった。
斎藤は先発して延長15回まで7安打完投、田中は3回途中から救援登板して12回3分の2を1失点。ともに譲らず意地がぶつかりあって、1―1で再試合となった。翌21日の再試合でも斎藤氏は先発のマウンドに上がり、田中も初回途中から登板した。早実が1点をリードした9回2死走者なし。打者には田中が立ち、斎藤氏はこの日最速147キロもマークした。最後は空振り三振。駒大苫小牧の3連覇を阻止した早実が頂点に立ち、斎藤氏は「ハンカチ王子」として一躍人気が急上昇した。
田中は高卒で楽天入り、斎藤氏は早大を経て日本ハムに入団した。斎藤氏はプロ入り後、度重なる故障でプロ通算15勝で21年に引退。明暗が分かれる形となったが、「甲子園の決勝引き分け再試合という舞台で、たった一度、僕が勝つことができた。多くの方々の印象に残る試合になった。そこから僕もマー君も、お互いの野球人生が新たなフェーズを迎えたと思います。僕が野球を頑張る上で、ずっと前を走っているマー君の存在は大きかった。追いつけるように頑張りたいなと、ずっとやっていました」と田中への思いを口にした。
1988年度生まれは、黄金世代で多くの一流選手を輩出。「マー君世代」、「ハンカチ世代」として、今でも前田(ヤンキース3A)、坂本(巨人)、秋山、会沢(ともに広島)、柳田(ソフトバンク)、大野(中日)、宮崎(DeNA)、沢村(ロッテ)ら多くの選手が現役でプレーしている。ユニホームを脱いでも野球振興のためにさまざまな活動をする斎藤氏は、世代を引っ張る田中をねぎらった。「楽天からヤンキース、巨人とユニホームが変わっても、36歳になっても140キロ後半のストレートを投げて200勝する―。すごくかっこいいし、全ての同世代にとって励みになる存在です。