◆米大リーグ 地区シリーズ第1戦 フィリーズ―ドジャース(4日、米ペンシルベニア州フィラデルフィア=シチズンズバンクパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が4日(日本時間5日)、地区シリーズ第1戦の敵地・フィリーズ戦に「1番・投手兼指名打者」でスタメン出場し、2点をリードした9回2死走者なしの5打席目は四球を選んで出塁した。ブルペンでは9回の登板に備えて佐々木朗希投手(23)が投球練習を行っていた。

 フィリーズの先発は、クリストフェル・サンチェス投手(28)。今季は32登板で13勝5敗、防御率2・50と安定した投球を見せた左腕だ。大谷は今季、6打数1安打で5三振。通算でも16打数4安打の打率2割5分、本塁打&長打なしと苦しめられていた。

 1回表先頭の1打席目。プレーボール前からファンは総立ちとなり、大谷の名前がコールされると痛烈なブーイングが浴びせられる異様な雰囲気の中で打席に立ったが、3球連続空振りの三振に倒れた。1回裏は、最速99・8マイル(約160・6キロ)をマークするなど3者凡退。シュワバーも右飛に打ち取った。

 両軍無得点の2回には、先頭のボームに四球を与えると、続くエンゼルス時代の同僚・マーシュに中前安打。無死一、二塁のピンチを背負い、リアルミュートに右中間へ適時三塁打を浴びて2点の先取点を許し、1死三塁でベーダーにも左犠飛を許して3点のリードを与えた。バットで返したいところだったが、3点を追う3回無死一塁の2打席目も、フルカウントから低めのシンカーに反応せず、一塁へ歩きかけたが、ストライク判定で見逃し三振。3回はシュワバー、ハーパーから2者連続三振を奪うなど3者凡退で、4回もマーシュから見逃し三振を奪うなど2イニング連続で3者凡退に抑えた。

3点を追う5回2死一塁の3打席目も見逃し三振。3打席連続三振に倒れた。

 6回にE・ヘルナンデスの左翼線への2点適時二塁打で1点差。6回は3者凡退で抑えて勢いをつけ、無死一、二塁で4打席目に立って3番手左腕のストラームと対戦したが、またしても見逃し三振に倒れた。それでも2死からT・ヘルナンデスが値千金の逆転3ラン。大谷も珍しくベンチを飛び出して喜んだ。大谷は6回89球を投げて3安打3失点、9奪三振で勝利投手の権利を持って降板し、マウンドには本来は先発のグラスノーが上がった。

 この日はメジャー8年目にして初めて投手としてポストシーズンのマウンドに立った大谷。前日3日(同4日)の会見では「今はすごい楽しみにしています。もちろん緊張することもあると思うけど、シーズンをこれまで勝ってきて、またあした(第1戦で)プレーできることに喜びを感じている。健康な状態でまたあしたプレーできる状態を迎えられれば、それは自分にとって幸せなことだと思う」と心境を口にしていた。

 レッズとのワイルドカードシリーズは2連勝で突破したドジャース。

大谷は第1戦で初回先頭弾を放つなど2本塁打を放って勝利に大きく貢献すると、第2戦も1点リードの6回に適時打を放って試合を決めた。前日の会見では「チーズステーキがすごくおいしいクラブハウスだなと毎回思っています」とジョークを口にするなどリラックスした様子も見せていた。メジャーの1シーズンのポストシーズンで投手、それ以外のポジションでそれぞれ1試合以上スタメン出場するのは初で、投手が5番以上の打順に入るのも史上初となった。

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