介護は突然始まり、短期間で判断を迫られることが多い。限られた時間の中で家族が下す選択は、その後の生活に大きく影響する。

未知株式会社と株式会社元気な介護が実施した調査からは、介護施設やサービス選びにおける実態と、経験を通じて変化する価値観が浮かび上がった。

 2026年3月16日から21日、300人を対象にインターネットで実施された調査では、家族の介護や支援に関わった経験がある人は70.7%に達した。「過去に関わっていた」が44.0%、「現在関わっている」が26.7%で、すでに多くの人が当事者となっている。要介護認定を受けた家族がいる割合も43.0%と高く、何らかの支援を必要とするケースは約7割にのぼる。

 利用経験のあるサービスでは、通所介護が47.0%で最多となり、訪問介護40.3%、福祉用具27.3%と続く。施設入所よりも在宅生活を前提とした支援の利用が目立ち、できる限り住み慣れた環境で生活を続けたいという意向がうかがえる。一方で、サービス利用のきっかけは「家族の負担の限界」が27.3%で最も多く、介護する側の状況が大きく影響している。

 施設選びで重視された点は「料金」65.7%、「立地」59.3%、「スタッフの対応」52.0%の順だった。しかし、選び直すとした場合には「スタッフの対応」が48.7%で最も重視され、「料金」47.3%を上回る結果となった。実際に利用する中で、日々接する人の質や雰囲気が重要だと認識される傾向が強まっている。

 課題として最も多く挙がったのは費用の分かりにくさで44.0%、次いで比較の難しさが36.7%だった。さらに、利用後には追加費用の発生や想定より高い月額負担に戸惑う声も多い。

情報収集は自治体窓口やケアマネジャーなど公的・専門的な手段に依存しており、一般的な比較情報の不足が意思決定を難しくしている現状がある。

 選択に対して後悔していない人は42.7%と一定数いるものの、「どちらともいえない」が51.3%と半数を超え、評価は揺れている。求められているのは、費用の総額や追加負担を可視化できる情報や、比較のための具体的な指標だ。介護は多くの人にとって避けられない課題となりつつある中で、判断を支える仕組みの整備が追いついていない現状が浮き彫りになった。

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