放課後の風景が変わっている。公園ではなく教室へ向かう子どもたち。

習い事は選択肢というより、半ば前提のように組み込まれつつある。その広がりは、数字にもはっきりと表れている。

 株式会社VALUE FIRSTの調査(2025年11月~12月、クラウドワークスによるインターネット調査、回答者400人)によると、高校生以下の子どもを持つ保護者の76.25%が習い事をさせていると回答した。さらに、複数の習い事を掛け持ちする家庭も3割を超え、特定の分野に絞らず経験を積ませる傾向が見て取れる。

 頻度は『週1回』と『週2~3回』が拮抗し、いずれも主流となっている。一方で『毎日』や『週4回以上』は少数にとどまり、過度な負担は避けたいという意識もうかがえる。時間の配分を巡り、成長機会と余白のバランスを探る姿が浮かぶ。

 開始時期の早さも際立つ。習い事を始めた年齢は『3歳~5歳』が過半数を占め、就学前から何らかの活動に触れるケースが一般的になっている。内容は水泳や体操などの運動系、リトミックや英語といった感性や語学に関わるものが中心で、遊びに近い形で経験を広げる段階にある。

 保護者の意識としては、子どもの主体性を重視する姿勢が示される。習い事の目的を子どもが理解し納得していると感じる割合は67.75%にのぼる。

ただ、この結果は解釈の余地も残す。3歳から5歳という年齢を考えれば、目的の理解というより、楽しんでいる様子をもって納得と見なしている可能性も否定できない。

 習い事を巡る判断には、明確な正解があるわけではない。実用的なスキルへの関心が高まり、英会話やプログラミングといった分野への投資も増えているが、それが子ども自身の関心と一致しているかは別の問題だ。早期化と多様化が進むほど、選択の難しさはむしろ増している。

 習い事は機会を広げる手段である一方、時間を占有する存在でもある。何を与えるかだけでなく、何を残すか。数字の裏側には、そうした見えにくい判断が積み重なっている。

編集部おすすめ