◆第86回皐月賞・G1(4月19日、中山競馬場・芝2000メートル)

 8年ぶりの皐月賞で勝利を狙う。開業19年目を迎えた野中賢二調教師=栗東=が、若葉S勝ち馬マテンロウゲイルを送り込む。

23年セレクトセール当歳8000万円で寺田千代乃オーナーが落札。「セリ前に下河辺牧場で見たときからすごいいい馬で、馬格もあったし、品もあった」と、当時を振り返る

 入厩してからもその評価は変わらず、むしろ右肩上がりだった。デビュー戦はメンバー最速33秒1で2着。「古馬並に馬体も良かったし、初戦を見て確信した」と、非凡な末脚を武器に、キャリア5戦で連対率は100%。一戦ごとに成長し、クラシック戦線を意識づける存在となった。

 19年のフェブラリーSを5歳馬インティで制したように、管理馬の成長曲線に合わせて強度を高めていくのが野中流。「やっぱりそれこそ無事是名馬やからな(笑)。せっかくなら長く楽しんでもらう方がいい」。G1級の高いレベルで走る馬ほど、調教の強度、競馬での疲労度も高まり、故障のリスクも大きくなる。これまでクラシックへの出走は18年に3冠を皆勤したグレイル以来だ。マテンロウゲイルは「古馬になったらもっといい馬になる」と先々も見据えたうえで、挑戦の資格があるとみている。

 前走の若葉Sは2馬身差の圧巻V。

「求めているよりいい内容だった」とさらに期待は高まった。「内容も良くなっている。確実に末脚は長いし、対応力も高い。反応が良くなっているのも成長分」と指揮官。2着と好走した京成杯と同じ舞台で、待望のクラシックをつかむ。(松ケ下 純平)

 

〈毎日杯勝ち馬アルトラムスもスタンバイ〉

 〇…野中厩舎からは毎日杯勝ち馬のアルトラムスもスタンバイしている。中2週で調整は軽めだが、当週は初コンタクトの横山武を背に、栗東・坂路を54秒8―12秒3で軽快に駆け抜けた。野中調教師は「デビュー前からすごく背中がいい馬。(横山)武史も『すごくいい』と言ってくれた」と好感触をつかんでいる。「古馬になったらもっと良くなる馬。まだまだ緩さは残るけど、2000メートルはいいと思う」。初の中山、長距離輸送、2000メートル戦と壁は高いが、侮れない存在だ。

 ◆野中 賢二(のなか・けんじ) 1965年9月29日生まれ。福岡県出身。60歳。82年から藤岡範士厩舎で厩務員、83年から調教助手。07年に調教師免許を取得し、08年3月に厩舎開業。10年阪神大賞典(トウカイトリック)で重賞初制覇。19年フェブラリーS(インティ)でG1初制覇。JRA通算4018戦394勝(うち重賞12勝)。

編集部おすすめ