第74回兵庫リレーカーニバルのグランプリ男女9種目が19日、神戸ユニバー記念競技場で行われ、男子800メートルは兵庫・宝塚市出身の四方悠瑚(27)=4DIRECTIONS=が1分47秒70で優勝。自己ベストや自身が持つ大会記録には届かなかったが「プラン通りに勝ち切れたのが大きい」と、日本代表入りと9~10月に行われる愛知・名古屋アジア大会でのメダル取りへ手応えをつかんだ。

女子走り幅跳びは昨年の日本選手権覇者・高良(こうら)彩花(25)=JAL=が6メートル37で制した。

 脚が違った。残り300メートル。10人の隊列の真ん中からスパートした四方は、数秒後には先頭へ躍り出ていた。「印象に残る走りがしたかった」の言葉通り、ライバルを置き去りにしたままゴール。11日の金栗記念は前半で飛ばしすぎて失速(4位)した。タイムは平凡でも「プラン通りに勝ち切れたのが大きい」と好内容に声が弾んだ。

 浮き沈みの激しい競技生活を送ってきた。高校時代から素質を見せていたが、大学4年間は「縛られているような感じがして…」と低迷。大学院に進み自ら練習メニューを考えるようになると、風向きが一変した。週5回、宝塚市の自宅近くにある400メートルの急坂を4~6往復するだけ。「基本は1日15~20分ぐらい」。

週に1度、トラック練習はするが、疲労を残さない四方流で再び記録が伸び始めた。

 フリーターと公言し、有名コーヒーチェーンでのアルバイトは5年目。自身を“走るバリスタ”と表現する。「時間帯責任者になって時給が上がりました(笑)」。ランニングクリニックも定期的に開催。普及、後進の育成にも熱心で、自身の名字から着想を得た所属先の4DIRECTIONSは「将来的にクラブチームの名前にできれば」という。

 今後は静岡国際(5月3日)から日本選手権(6月12~14日)へ。「アジア大会に出場できればメダルも狙える。44秒台を出したい」。地元で得た自信を胸に、日本代表の座をつかみ取る。(吉村 達)

 ◆四方 悠瑚(しかた・ゆうご)1998年11月25日、兵庫・宝塚市出身。27歳。

県西宮高3年時にインターハイ男子800メートルで2位、国体少年共通優勝。立命大、同大学院と進み、22年兵庫リレーカーニバルで1分47秒41の大会記録を樹立。自己ベストは2位だった昨年の日本選手権で出した1分46秒30。178センチ、65キロ。

 〇…女子走り幅跳びは、1回目で6メートル37をマークした兵庫・西宮市出身の高良が逃げ切った。この日は課題だった踏み切りがスムーズで「助走が安定していて、コンスタントに記録が出せた。自信になったし、地元で勝ててうれしい」と声を弾ませた。今後は日本選手権の連覇とアジア大会出場が視野に入る。「スピードをつけて(6メートル)70は出したい」と大舞台での目標を設定した。

 〇…女子棒高跳びを制した兵庫・小野市出身の大坂谷明里(おおさかや・あかり、24)=愛媛競技力本部=は、自己ベストを4センチ上回る4メートル24をクリアしてガッツポーズ。「(自己新の)チャンスを逃すことが多かったので、出ちゃいましたね」と笑った。現在は東京で日本記録保持者の諸田実咲(27)=アットホーム=と一緒に練習しており「食事面などにも気をつけて、実咲さんに1回でも勝てるように頑張る」と見据えた。

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