ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートペアで、日本史上初めて金メダルを獲得した三浦璃来(24)、木原龍一(33)=木下グループ=組が17日、現役引退を発表した。SNS上に連名で「私たちはやり切ったという気持ちでいっぱいで、悔いはありません」などとつづった。

結成から7年、数々の金字塔を打ち立てた「りくりゅう」を、所属である木下グループの木下直哉(60)代表がスポーツ報知に手記を寄せてねぎらった。

 「りくりゅう」の2人は、私が想像していた以上に頑張ってくれました。その一言に尽きます。木下グループに所属する選手に共通しますが、彼らは頂点を目指すと決めたその時から、与えられたものや時間を全て競技のために費やします。私たちは、それほど一つのことに打ち込むことができるでしょうか。だからこそ彼らに寄り添い、頑張っている選手と伴走したい、そういう思いになります。

 現役引退は3月にワールドベースボールクラシック(WBC)を観戦した日の帰り、2人を自宅に招いた時に聞きました。その際「りくりゅう」とは、今後いかにペア、カップル競技を多くの方に認知して頂くかについて話をしました。私たちはカップル競技をゼロから共に強化し、だんだんと人気も出るようになりました。この人気をいかに持続させ、皆さんから愛される競技にしようかと、そういった話を多くしました。

 龍一くんも璃来ちゃんも、将来的には必ず指導者になります。ただ、指導者には資格も必要で、時間がかかります。

数年間は、アシスタントコーチとして経験を積まなければなりません。日本ではペアを指導するコーチの環境が整っておらず、国内で学ぶことは現実的ではないでしょう。現在の拠点のカナダで経験を積むのか、今後のことについては相談をしています。「りくりゅう」とペアの素晴らしさを見てもらう活動、そしてコーチの勉強。この両立を頑張ってもらいたいです。

 将来的には、龍一くんたちと(木下グループとして)3つめのアカデミーを作る計画があります。詳しくは2人の言葉を楽しみにして頂きたいですが、いつかアカデミーを作るという話はしています。木下グループは、日本が五輪で団体のメダルを取るということを目標に当初、支援を開始しました。私たちのグループには、これからの「ゆなすみ」や島田麻央選手が所属しています。「フィギュア大国」を築き上げるところへ、龍一くんたちに加わってもらいたいです。ひとまず「りくりゅう」には一度ゆっくりしてもらい、そして五輪でもたらした感動やペアの素晴らしさを、1人でも多くの方に伝えていってほしいと願っています。

 ◆木下 直哉(きのした・なおや)1965年11月16日、福岡県出身。

60歳。90年に木下グループの前身にあたるエム・シー・コーポレーションを設立。2004年に木下工務店にM&Aを行い、代表に就任。アスリートの活動を支援し、卓球のTリーグ発足にも携わった。23年にはスポーツ・芸術文化振興を通じた社会貢献を目指し、公益財団法人木下財団を設立した。

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