元Jリーガーでサッカー解説者の林陵平さんに、スポルティーバのYouTubeチャンネルで好評の『林陵平のフットボールゼミ』で、今年開催されるワールドカップの日本代表メンバー26名を独自に予想してもらった。

【「ここが最大の論争になりそう」】

 林さんが最初に挙げた"当確組"は、3月31日(現地時間)のイングランド戦のスターティングメンバーだ。GKに鈴木彩艶、3バックを渡辺剛、谷口彰悟、伊藤洋輝で構成し、ダブルボランチは鎌田大地佐野海舟

右ウイングバックに堂安律、左に中村敬斗、右シャドーに伊東純也、左シャドウに三笘薫、ワントップに上田綺世という布陣だ。「ケガさえなければ当確」と断言する。

 そこからの上積みとして、3バックの左に鈴木淳之介、ボランチに田中碧と遠藤航、前線に前田大然と鈴木唯人、さらに久保建英も「復帰すれば間違いなく入る」と語る。右シャドーのファーストチョイスが伊東純也か久保かという争いは、「これからの楽しみな部分」と位置づけた。

 議論のひとつが、スリーバック6枚目の選考だ。林さんは「富安健洋はコンディションさえ整っていれば絶対に連れて行く」としながらも、負傷が長引いている現状を踏まえ、「コンディションを考えた時に板倉滉かな」と結論づけた。板倉は最終予選を通じてチームを引っ張り続けており、実戦復帰も果たしているという点が評価された。

 一方で富安については、「3バックのどこでもできるし、高さを考えると入れたい。でもプレーができなければ、招集は難しい」と、悩ましさを吐露した。最終的な判断は「板倉か冨安、どちらかになると思う」としており、ここは最後まで流動的な枠と見ている。

【センターフォワード争いにサプライズ枠】

 センターフォワードについては3枠を想定し、上田に加えて後藤啓介と塩貝健人、さらにシャドーも兼ねて町野修斗の名を挙げた。ストライカーとして長らく2番手に位置していた小川航基ではなく後藤を選んだ点、そして塩貝をサプライズ枠として指名した点が目を引くが、塩貝については「シャドーでもプレーできるし、前でもプレーできる。3-1-4-2などのシステムで最後にボックス内へ人数をかけたい時に招集するのではないか」と説明した。

【「守田は見たい。でも、入らないのかな」】

 今回の予想で最も大きなポイントとなりそうなのが、守田英正の落選予想。林さんは守田について「プレー面のクオリティを考えると外す理由がない」「スタートなら守田だと思う」とその実力を高く評価しながらも、英国遠征に招集されなかった事実を重く見た。

「チャンピオンズリーグ準々決勝のアーセナル戦を見ましたが、守田は攻守に抜群に効いていた。コンディションもすごくよさそうだった。だからこそ、あのタイミングで呼ばれなかったのはどういう理由なのか」と率直に疑問を呈した上で、「守田は入らないのかな、という感じがします」と苦渋の表情でコメント。

 代わりにボランチの3枚目として藤田譲瑠チマを選出した理由は、「スコットランド戦でも非常にいいプレーをしていた。シャドーなど、プレー面の幅も広い」という実績と汎用性にあると考える。「守田は絶対に見たい」という言葉を繰り返しながらも、「森保監督の考え方を総合的に考えると、守田は入らないのかなという感じがする」と結論づけた。

【長友に5大会目への期待】

 もうひとつの注目が長友佑都の選出だ。林さんは左ウイングバックのサブとして長友を選び、「森保監督は絶対、最後の最後に長友を呼ぶ」と断言した。

 その根拠として挙げたのは、まずピッチ外での貢献だ。「26人いても、毎試合ピッチに立てない選手は必ず出てきます。

だから、試合以外の1カ月間をどう過ごすかが重要で、食事会場での振る舞い、ミーティング、練習の雰囲気を作るのが長友はすごくうまい」と語る。ワールドカップを知っている選手がチームにいることの"目に見えない重要さ"を強調した。

 同時に、「ピッチ外の話ばかりしましたが、ピッチ内のプレーも評価されないと、今の日本の選手層を考えると選ばれない」とも釘を刺した。長友がケガから復帰したあとのパフォーマンスが最終的な判断を左右すると見ており、「最後、彼が出てきてクローズや1対1で相手のウイングを止めてくれるのではないかと思って選びました」と語った。

 コーチ枠やトレーニングパートナーとして連れて行くべきではないかという声に対しては、「それもアリだと思います。でも長友自身は望んでいないでしょう」とひと言。選手として最後まで戦う姿勢を持ち続けている点こそが評価に値するとした。

【南野・冨安、ケガ上がりが不安材料】

 林さん予想のメンバーを振り返ると、遠藤、板倉、久保などケガ上がりの選手が複数含まれる。林さんは「数人なら問題ない。戻ったらすぐプレーできます」としながらも、「遠藤のコンディションが最後まで復帰できるかどうかが気になります」と述べた。

 南野拓実については、「走り出したというニュースはありましたが、前十字靭帯断裂を経験している自分からすると、走り出してから(復帰できるまで)が、めっちゃ長いんです」と経験者としての見解を示し、「6月のワールドカップにトップパフォーマンスで間に合わせるのは、正直難しいのではないか」と厳しい見通しを語った。南野本人の強い意欲は十分に理解しつつも、ケガの性質上、時間が必要だという現実を率直に伝えた。

【林陵平さんワールドカップメンバー予想26名一覧】

以下の通り。

GK(3名)
・鈴木彩艶 ・早川友基 ・大迫敬介

DF(7名)
・長友佑都・渡辺剛・谷口彰悟・伊藤洋輝・鈴木淳之介・瀬古歩夢・板倉滉(または冨安健洋)

MF・FW(16名)
・遠藤航・田中碧・鎌田大地・佐野海舟・藤田譲瑠チマ・堂安律・中村敬斗
・伊東純也・久保建英・三笘薫・前田大然・鈴木唯人・上田綺世・後藤啓介・塩貝健人・町野修斗

 守田の落選予想、長友佑都の選出理由、塩貝健人のサプライズ指名など、林さんが挙げたワールドカップメンバーは、それぞれの選手への思いと森保一監督の選考哲学への読みが凝縮された予想だ。「みんなで日本代表を応援していきましょう。それが一番大事なこと」という言葉でゼミを締めくくった林さん。正式発表まで、議論はまだ続く。

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