大相撲の春巡業が23日、東京・府中市で行われた。小結・熱海富士(伊勢ケ浜)が、関取衆による申し合い稽古で相撲を取り、力強く前に出る内容が光った。

 稽古の途中には土俵下で見守っていた部屋付きの楯山親方(元幕内・誉富士)と、スマートフォンで撮影した取組映像を確認していた。同親方によると、巡業を通して稽古を見ていた親方衆が、前に出る際に熱海富士の足の指が浮いていることに気づいたといい、「指に力を入れて前に出ると、もっと力が出る。本人も気づいていなかったので、指が上がっているところを、自覚できればと思って、動画を撮っていた」と意図を明かした。

 また、同親方は「どちらかというと、これまでは上半身の使い方をずっと教えていて、あまり下半身や足の指については、私は見てこなかったかなと思う」と話し、普段は稽古を見守る機会が少ない他の部屋の親方らが帯同している巡業だからこその気づきだった。高田川巡業部長(元関脇・安芸乃島)も「いろいろな親方が出ていて、アドバイスをもらえるのが巡業の良いところ。指でかむ、かまないだけで、相撲内容も全然変わる。自分の中でしっかりと整理して、自分に合うことを取り入れていくことができる力士は、伸びていくし、結果も出てくる。本人にも参考にしてもらえれば」と語った。

 熱海富士は新小結だった先場所で9勝を挙げ、夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)の関脇昇進が有力。今巡業でも積極的に関取衆の申し合い稽古に参加しており、楯山親方は「課題を直そうとする気持ちもあるし、稽古もよく頑張っている。まだまだ伸びしろがある」と、さらなる成長に期待した。

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