オジュウチョウサンとのコンビでJG1・9勝を挙げ、史上初の障害重賞完全制覇を達成したハードル界の名手・石神深一騎手=美浦・フリー=が、4月26日の京都4R・障害4歳以上未勝利(直線ダート2910メートル=14頭立て)で、現役ラスト騎乗を終えた。フジフォンテ(セン7歳、美浦・粕谷昌央厩舎、父ロージズインメイ)の手綱を執って7着。

中団で折り合って進め、気迫のこもったステッキで鼓舞し続けた。

 「ホッとしましたね。レースも前で転ぶ馬が見えたし、やっぱりこの仕事は危ないなと思いました。無事に帰ってこられて、みんなに祝ってもらえて、ありがたいですよね」と率直な気持ちを口にした石神深騎手。先週18日に中山競馬場で引退式を済ませ、最終週の2鞍に臨んだ。「引退式の時はまだ、もう1週競馬があるという緊張感がありました。今日はもう、いろいろと緩んで涙が出そうです」。万感の思いのラストライドだった。

 レース後には横山典弘騎手、同期の川島信二元騎手、武豊騎手から花束を手渡され、笑顔で記念撮影。「やっぱり豊さんとか典さんに憧れてこの世界に入ったので。今日はグッとくるものがありましたね」と目を潤ませた。最後は胴上げで3度宙を舞い、騎手生活に別れを告げた。

 今後は美浦・柄崎将寿厩舎で調教助手となる。長男・深道騎手はデビュー3年目。次男の龍貴さんも今春競馬学校に入学した。「今までは鬼のように厳しかったですけど、少し優しいお父さんになろうと思います(笑)。このまま少しずつでいいので、障害界が注目されていってほしい。トレセンにいますし、できる限り協力していきたいと思っています」。立場は変わるが、これまで通り息子たちの成長を見守り、競馬界、障害界の発展に尽力していく。

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