大阪・MBSテレビはこのほど、日本の放送文化の質的な向上を目的とし、優秀な番組・個人・団体を顕彰する2025年度第63回ギャラクシー賞のテレビ部門下期選考において、下記3番組が「奨励賞」を受賞したと発表した。

▼映像’25「家族を罪に問う~家庭内性被害の告白~」(25年12月21日放送)

▼TBSドキュメンタリー解放区「家族を罪に問う~家庭内性被害の告白~」(26年1月11日放送)

▼映像’26「西成と中国~共生か排除か~」(26年3月15日放送)

 「家族を罪に問う―」は当時高校生の実の娘に性的暴行を加えたとして、富山県の元会社役員の父親・大門広治被告に懲役8年の判決が言い渡された25年10月の裁判から始まる。

きっかけは被害者本人の福山里帆さんの実名・顔出しでの告白。母親が不在の自宅で、中学2年の時に始まった被害。誰にも言えず、一人抱え続けてきた里帆さんは、今もPTSDなどに苦しみ続けている。しかし一昨年、現在の夫・佳樹さんとともに、過去を断ち切るため「父を罪に問う」と決める。

 ただ刑事告訴から判決に至るまでの道のりは、想像を超える苦難の連続だった。加害者である父親との面会、親族からの反発、捜査機関の取り調べによる追体験。それでも里帆さんは「同じような被害に遭った人たちの道しるべになりたい」と、裁判にも出廷。卑劣な家庭内性虐待の実態を証言た。

 里帆さんの思いは全国に波及し、里帆さんのSNS宛てにカミングアウトする声が相次いでいる。大阪府に住む20代のかおりさん(仮名)は、中学時代に実の伯父に性的虐待を受けた。後遺症に苦しみ、生活も立ち行かない状況だが「自分も変わりたい」と刑事告訴に踏み切った。

 「家族を訴える」とはどういうことなのか。

裁判で実の父を問う里帆さんの3年、そして訴えに至ったかおりさんの姿から、「家庭内での性的虐待」の理不尽さを考える。

 和田浩プロデューサー「家庭内性被害という『見えない犯罪』を立証する困難さ。そして何より、自らの深い傷に向き合い、告白してくださった被害者の方々の勇気こそが、私たちを突き動かす原動力でした。取材に応じてくださった皆様に、心より深く感謝申し上げます。今後も、社会の死角に取り残され、かき消されがちな声に寄り添い、真実を伝えるドキュメンタリー制作に努めてまいります」

 森亮介ディレクター「性犯罪の中でも表面化しづらいと言われる“家庭内性暴力”。今回その実態に迫りましたが、描けたのはほんの一端です。取材を重ねるに連れ、決して珍しい事件ではなく、全国の家庭で起きている事件なのではないかと感じました。微か(かすか)なSOSを送る子どもたちが周りにいないか。見てくださった人が、少しでもそのような意識を持つきっかけになれば幸いです」

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