東前頭2枚目・義ノ富士が西前頭3枚目・王鵬を寄り切り、5連勝で6勝3敗とした。24歳のホープが来場所の新三役昇進に向け、勢いに乗ってきた。

大関復帰の霧島は東前頭5枚目・若元春を寄り倒し、額から流血しながらも勝ち越しを決めて単独トップに立った。大関・琴桜は西前頭4枚目・豪ノ山にはたき込まれて7敗目。1敗の霧島を小結・若隆景、平幕の豪ノ山、琴栄峰、翔猿、藤凌駕の5人が1差で追う。

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 義ノ富士は痛みに耐え、攻め手を緩めなかった。立ち合いでもろ差しとなったが、王鵬に上から抱えられて両腕を極められる形となった。それでも「王鵬関は止まると重い。勝負するならそこしかないと思った」と、下からぐいぐいと相手を起こして前進。止まることなく寄り切った。支度部屋では、左腕をさすりながら「めっちゃ痛い」と苦笑しつつ、「攻められて良かった」と胸を張った。

 新入幕の昨年7月の名古屋場所で11勝を挙げて優勝争いに絡み、敢闘賞と技能賞を受賞するなど飛躍を期待された。その後の4場所も金星3個獲得など幕内上位で印象的な活躍を見せていたが、先場所は7勝8敗で初土俵から12場所目で初の負け越しを喫した。「負けたらどうしようとか、勝ち負けのことばかり考えていた」と反省を浮かべた。

 15日間の長い戦いを見据え、場所前の調整を工夫した。午前8時半に稽古場に下り、四股やすり足、ストレッチを行った後で、関取衆が相撲を取り始めるまでの約2時間近くトレーニングで汗を流した。体に負荷をかけて場所に入ることで、「最初は体がきついかもしれないけど、中盤、後半戦に向けて、疲れが抜けていい感じになっていけば」という狙いだった。序盤戦は1勝3敗と苦しんだが、これで5連勝。「言った通りになってきている感じがする」と手応えを示した。

 この日は熊本から元競輪選手の父・信一さん(54)が観戦に訪れていた。今場所から結った大銀杏(おおいちょう)姿で白星を届け「見に来ていたので勝てて良かった」と笑みを浮かべた。父も「まだデビューして2年でやっと大銀杏が結えた場所。急がず、しっかりと幕内上位で勝ちきる技術とパワーをつけて頑張ってくれれば」と着実な成長を期待したが、東前頭2枚目で9日目を終えて6勝。来場所の新三役の期待も膨らんできた。(林 直史)

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