日本オリンピック委員会(JOC)の橋本聖子会長(61)が18日、都内で定例記者会見に臨み、27年に日本で開催される「ワールドマスターズゲームズ2027関西」(5月14日開幕)に自転車のBMXレーシングで出場する意向を示した。現役時代は、自転車とスピードスケートで夏冬五輪に7度出場。

1996年にアスリートを引退したが、日本のスポーツ界を盛り上げるため、31年ぶりに“現役復帰”を果たす。

 橋本会長は本気だった。JOCの目指す方向性について会見した最後。突然、「今61歳ですが、来年のワールドマスターズゲームズに参加させていただきます。大会を盛り上げる一助になれば」と電撃公表すると、会場からどよめきが起こった。

 同大会は4年に一度開催され、30歳以上ならだれでも出場可能。生涯スポーツを主眼に置いた国際大会だ。橋本会長は現役時代、冬季五輪にスピードスケートで4度、夏季五輪に自転車で3度出場したレジェンド。現役のJOC会長が国際大会に出場するのは極めて異例で、来年62歳を迎える橋本会長の新しい競技への挑戦は大きな話題になり、大会、競技への注目度は上がるはずだ。

 当初は、自身が経験していた自転車のトラック競技での復帰を検討していたという。だが、参議院議員としての公務があり、平日に予選が行われる競技の出場は断念した。他の競技を探したところ「BMXがちょうどいい日程だと分かった」と説明。

BMX自体は「まったくの素人。ただ、マウンテンバイクをやっていたので、やればできると思う。持ち前のチャレンジ精神がフツフツと湧いてきた。どうやって抑えようかというくらいアドレナリンが出ている。1年間、体を作り上げていかないと」と気持ちを高ぶらせた。

 もちろん、JOC会長としての思いも胸に秘める。「参加する一人の人間として現場を見ることが重要だと思う。この地域は何を求めているのか、この団体は何が問題なのかを感じて、問題、課題解決についてどうやっていくのか。直接アスリートとして参加することで、今までにない価値を見いだしていければ」と話す。スポーツ界に新たなムーブメントを起こすべく、橋本会長が31年ぶりに“現役”に戻る。(松末 守司)

 ◆橋本 聖子(はしもと・せいこ)1964年10月5日、北海道早来町(現・安平町)生まれ。61歳。

3歳でスピードスケートを始め、冬季五輪は84年サラエボから4大会連続、夏季五輪は88年ソウルから自転車で3大会連続出場。95年参院選で初当選。19年9月東京五輪・パラリンピック競技大会担当大臣。21年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長。25年6月に女性初のJOC会長に就任。

 ◇橋本聖子氏の主な五輪成績

 ▼1984年 サラエボ五輪(冬) スピードスケート500メートルで11位など、4種目出場。

 ▼88年 カルガリー五輪(冬) スピードスケート500メートル、1000メートルで5位など5種目出場。

 ▼88年 ソウル五輪(夏) 自転車で出場して予選落ち。

 ▼92年 アルベールビル五輪(冬) スピードスケート1500メートルで銅メダルに輝くなど、5種目出場。

 ▼92年 バルセロナ五輪(夏) 自転車3000メートル個人追い抜きで予選落ち。

 ▼94年 リレハンメル五輪(冬) スピードスケート3000メートルで6位など4種目出場。

 ▼96年 アトランタ五輪(夏) 自転車24000メートルポイントレースで9位など2種目出場。

 ◇50代以上のアスリート

 ▼プロ野球 中日・山本昌が15年10月7日の広島戦(マツダ)で50歳1か月26日で先発し、プロ野球史上初の50代での登板と出場を達成。同年限りで32年間の現役生活に幕を下ろした。

 ▼サッカー J3福島のカズことFW三浦知良は、10日の百年構想リーグ・磐田戦に途中出場し、自身が持つJ最年長出場記録を59歳2か月14日に更新した。

 ▼ノルディックスキー・ジャンプ 男子で冬季五輪史上単独最多8度出場の葛西紀明は、53歳の現在も第一線で戦い、30年五輪出場を目標にしている。

 ▼馬場馬術 法華津(ほけつ)寛が、12年ロンドン五輪に日本選手史上最年長の71歳で出場した。

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