「知りたくないの」「今日でお別れ」などの名曲で知られる歌手・菅原洋一(すがわら・よういち、本名同じ)さんが5月31日午前9時26分、悪性リンパ腫のため都内の病院で死去した。92歳だった。

日本歌手協会が2日、発表した。

 デビューから「知りたくないの」のヒットまで10年を要したスロースターターの菅原さん。ヒット曲がひしめく歌謡曲の全盛期、本人もレコード会社の“整理対象”とクビを覚悟していたというが、それでも10年残り続けたのは、歌の技術があったからこそ。「基礎がしっかりしている」と、社歌や校歌の専門歌手として歌い続けた。

 待って、待って打席に立ったからこそ、つかんだ栄光だった。「知りたくないの」は米のポピュラー音楽「たそがれのワルツ」の日本版だが、当時は駆け出しの作詞家だった、なかにし礼さんの訳詞で2年をかけたロングヒット。有線から火がついた影響で歌だけが先に知られ、デビュー後もラウンジ歌手を務めていたホテルで、本人と知らない客から「菅原洋一という歌手の歌を歌って」とリクエストされたこともあった。

 マネジャーは「本当に歌が好きだった。リハーサルから本番までの空き時間は必ず、リハーサルで録音した自分の音源を聴いて出番の直前まで歌を追求していた」と真摯(しんし)に歌と向き合っていたと明かす。飽くなき向上心が菅原さんの表現の源だった。

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