ガッツ石松さんのトーク力と機転に助けられたことがある。

 2007年10月。

比叡山の僧侶が断食修業を行った。私は当時の上司のからのムチャぶりで「減量経験が豊富であろうガッツさんに、断食のつらさと、どう悟りを開けるのか語ってもらえ」という指令を受けた。しかも急に。

 さて電話に出てくれたガッツさん。「人間、食べなくなると感覚が鋭くなるんだ。宗教で断食をやるのはよく分かるよ」と共感。断食中は「バケツいっぱいに水が飲みたくなるし、金魚になりたくなる」と面白い“ガッツ節”も飛び出した。とはいえ、もうちょっと具体例がほしい。原稿の締め切りが近かったものの、私は「『鋭くなる』とは、具体的に…」と切り出してみた。

 するとガッツさんはすぐに「おう! そうだな。女性が目の前に10人並んでいるだろ。すると誰に月のものが来ているのかすぐに分かるんだ」。

第六感のようなことなのだろうか。とても分かりやすい話ではあったが、新聞で表現しにくい。私は恐る恐る「もうちょっと新聞向きの話でお願いします」と懇願した。締め切りも間近。隣で原稿を待つ上司が貧乏揺すりをしているのが見えた。

 するとガッツさんは「おう! そうだな。マージャンをやっていても、絶対に相手に振り込むことはなかった。相手の待ちが完全に把握できるんだ。これが減量が終わると、分からなくなるんだけどな」と追加してくれた。試合前の大事な時期にマージャンをやるものなのかと指摘したくはなったが、何とか記事作成には間に合い、上司も喜んでくれた。思わず私の脳裏に浮かんだのは「OK牧場」という言葉だった。ご冥福をお祈り致します。

(文化社会部デスク 浦本 将樹)

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