ついにこの時がきた!8月16日の新潟9R・障害3歳上未勝利(障害芝2850メートル)をビジューブリランテ(セン8歳、父ディープブリランテ)が勝利すると、引き揚げてきた鞍上の坂口智康騎手=美浦・尾形和幸厩舎=と、同馬を管理する浅利英明調教師=美浦=は、がっちりと握手をした後に抱擁。これまでの苦労や思いが詰まった勝利を互いに喜んだ。

 騎手になる夢をつかめなかった指揮官と助手から異例の転身を遂げた障害ジョッキー。指揮官は「途中で騎手になった坂口騎手を応援したい」と開業以来、障害レースは全レースで起用。鞍上は「お互いが助手時代の頃から(浅利調教師は)率直にすごい方だと思っていて、その方から『坂口くんの可能性にかけてみたい』と笑顔で言ってもらえたことがすごくうれしかった」と当時を振り返る関係だった。

 これまで2着はあるものの、このコンビでの勝利は0回。「もう一歩のところでなかなか結果を出せず、申し訳ない思いしかありません」と話す坂口騎手の気迫に導かれ、この日のビジューブリランテは新潟の直線を力強く伸びて1馬身差で快勝した。「浅利厩舎の馬でやっと勝つことができて泣きそうです。ビジューブリランテは浅利厩舎にとって初勝利の馬ですし、障害初勝利もこの馬になったので、これも何か縁があるのかなと思います」と待望の勝利に会心の笑顔を見せつつ、どこかホッとした表情も浮かべていた。

 起用し続けたトレーナーにとっても坂口騎手と苦労しながらつかんだ美酒を喜んだ。「ウチが開業して初勝利の馬。そこから障害に転向して(坂口騎手と)2人で話し合ってきて、一から浅利厩舎で作ってきた。なかなか気持ちが難しくて、うまく行かない時もあったけど、やっと実を結んでくれた。そういった意味で坂口くんと作り上げてきた馬なので喜びはひとしおだね」と障害初勝利までの日々を振り返った。

 転身を遂げたことを応援したい思いだけではなく、努力している姿も評価して起用を続けてきた浅利調教師。「ウチは全部、坂口くんを乗せていますけど、それがなかったとしても彼が周囲に認められて成績も上げてきている」。昨年のキャリアハイ5勝に早くも並んだ鞍上を頼もしそうに見つめる。

 2人の信頼は厚い。これからもこのコンビで多くの勝利を収めていくはずだ。

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