箱根駅伝で中大(優勝14回)に次いで2位の優勝13回を誇る早大が17日、夏合宿を行っている新潟・妙高高原で取材に応じ、U20世界陸上(5~9日、米国オレゴン)の男子5000メートルを体調不良のため欠場した増子陽太(1年)も元気な姿を見せた。「レース当日の朝、欠場を決めました。

日本陸連の皆さまには申し訳ないと思っておりますが、現地でサポートに回り、いい経験になりました。今は体調は回復しました」と丁寧に説明した。

 12日から早大の妙高高原合宿に参加。「合宿2日目には1キロ3分40秒くらいのペースで25キロを走りました」と増子は明かした。今後、学生3大駅伝に向けて、さらに練習を重ねていく。花田勝彦監督(55)は「夏まではトラックなど個人の目標を優先し、夏以降は箱根駅伝総合優勝、3大駅伝で結果を出すというチーム目標を優先しています」とチームの方針を説明した。

 増子は学生3大駅伝に向けて「出雲駅伝(6区間45・1キロ)、全日本大学駅伝(8区間106・8キロ)の距離は高校の延長で走れると思います」と自信を見せる一方で、全区間が20キロを超える箱根駅伝については「(レースでは)未知の距離になります」と慎重に話した。それでも「箱根駅伝は4区を走りたいです。(今年1月に)鈴木琉胤(るい)さんが出した記録(1時間1秒)を超えたい」と大きな目標を明かした。

 鈴木のタイムは、2023年に東京国際大のイェゴン・ヴィンセントがマークした1時間の区間記録に1秒と迫る歴代2位の好記録。鈴木の記録を超えるということは区間タイ記録、もしくは区間新記録となるが、増子は「区間新記録というよりも、一歩前を行っている琉胤さんが1年に出した記録を超えたいということです」と尊敬する先輩への意識を強調した。

 昨年12月の全国高校駅伝1区(10キロ)で区間賞の増子(福島・学法石川)、同2位の新妻遼己(はるき、兵庫・西脇工)、同3位の本田桜二郎(鳥取城北)が今春、そろって早大に入学した。

U20世界陸上にも3人全員が日本代表として選出された(本田は1500メートル14位・3000メートル3位、新妻は3000メートル11位)。

 1990年には日本人高校生初の5000メートル13分台ランナーの武井隆次、3000メートル障害日本高校記録保持者(当時)の櫛部静二(現城西大監督)、全国高校総体1500メートル5位の花田勝彦(現早大監督)が早大に入学。1年目から箱根駅伝で1~3区を担うなど抜群の存在感を発揮し「早大三羽がらす」と呼ばれた。それから36年。増子、新妻、本田は「令和の早大三羽がらす」として期待されている。

 今年1月の箱根駅伝で1区7位の吉倉ナヤブ直希(3年)、3区8位で今季急成長の山口竣平(3年)、4区区間賞の鈴木、5区3位の工藤慎作(4年)、6区6位の山崎一吹(4年)、9区2位の小平敦之主将(4年)ら今季の早大は実力ある上級生も多い。工藤慎作は「(今季は)勝負できる年。勝ちたい」と意欲を示す。

 名門、早大は、学生駅伝3冠を果たした2010年度以来、16年ぶりのタイトルを狙う。

編集部おすすめ