日本相撲協会は26日、大相撲九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、美ノ海(33)=木瀬=が新小結に昇進した。沖縄出身の新三役は史上初めて。

西前頭3枚目の先場所で10勝5敗を挙げ、戦後年長4位となる33歳5か月で新三役昇進を遂げた。美ノ海は佐賀・基山町の部屋宿舎で会見に臨み、沖縄県勢として悲願の初Vへの意欲を示した。また出羽ノ龍(25)=出羽海=、嵐富士(22)=伊勢ケ浜=、旭海雄(26)=大島=が新入幕を果たした。

 普段は番付や勝敗に執着しない美ノ海にとっても、格別の喜びだった。「うれしい。朝からたくさん連絡をいただいて、三役に昇進した実感が少しずつ湧いてきた」。これまで47都道府県で唯一、三役力士が出ていなかった沖縄県から初の新小結に昇進。「沖縄の文化の中に相撲が根付くきっかけになればいい。少しでも沖縄で相撲をやっている子たちの目指す場所になれば」と故郷への思いを語った。

 日大出身で初土俵を踏んだのは2016年春場所だった。所要63場所での新三役は学生相撲出身で史上1位のスロー昇進だ。「入門した時は早く昇進したい思いがあった。

まさか一番遅い記録になるとは思わなかった」。けがにも苦しみ思い描いた約10年間ではなかったが、笑顔で受け止めた。

 遅咲きの歩みの転機となったのは新入幕目前の13日目に負傷し、初めて途中休場した21年初場所だったという。「甘かったといろいろ反省した」。土俵に上がる心構えを見直し、稽古では基礎を徹底。大事にしている四股は体重移動、足腰の強化、調子の確認など目的に応じて踏み方を変えているといい「同じように見えて、僕の中では5、6種類ある。それを毎日やり続けている」と明かした。

 沖縄出身力士として昨年春場所で初の三賞、今場所で初の三役。次は県勢初賜杯への期待も高まる。「1回ぐらいは優勝したい。終わってからの結果なので、毎日一生懸命頑張りたい」。33歳は新たな挑戦へ、静かに闘志を燃やした。

(林 直史)

 ◆美ノ海 義久(ちゅらのうみ・よしひさ)本名・木崎信志。1993年5月6日、沖縄・うるま市生まれ。33歳。鳥取城北高、日大を経て16年春場所で木崎として初土俵。18年名古屋場所で新十両となり美ノ海に改名。23年九州場所で新入幕。敢闘賞2回。得意は左四つ、寄り。176センチ、157キロ。弟は元十両・木崎海の伸之助さん(31)

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