JRA海外馬券発売対象の第43回ブリーダーズカップ(BC)クラシック・米G1は日本時間11月1日、キーンランド競馬場のダート2000メートルで行われる。昨年覇者のフォーエバーヤングは00、01年ティズナウ以来、2頭目のBCクラシック連覇がかかる。

管理する矢作芳人調教師(65)=栗東=がソヴリンティとの初対戦や偉業達成への熱い胸の内を明かした。(取材・構成=山本武志)

 すべてを出し尽くす。ラストシーズンを迎えたフォーエバーヤングが、ずっと照準を定めていたのが連覇もかかるBCクラシック。矢作調教師の言葉も自然と熱を帯びる。

 「これが最後のレースになるか、ラス前になるかは分からない。オーナーとの協議でも、このレースを見て、次をどうするか、引退も含めて決めようということになっているので、ある意味集大成だと思っています。これがラストのつもりで全力で仕上げる。ただ、それだけですね」

 秋始動戦のジョッキークラブGCを完勝した後はベルモントパーク競馬場に残り、馬に飽きさせないように4つの調教コースを使い分けながらの調整。20日に空輸でキーンランド競馬場に入った。

 「あの馬は飛行機に乗るとレースが近いということを感じる。今は青写真通りに来ているので、とにかくそのままレースまで行ってほしいですね」

 大一番には“ラスボス”が待っている。昨年の年度代表馬ソヴリンティだ。

昨年のBCクラシック、そして前走と直前で対決が2度流れた。管理するモット調教師とは旧知の仲でもある。

 「とにかく、ソヴリンティとやってみたいね。(自信は)もちろん、あります。(モット師から)前走後、帰国する時に『おめでとう』と言われて、『とにかくソヴリンティの無事の復帰を願っている』と言って帰ってきました。恐らくソヴリンティも今年いっぱいで引退だろうから、(対戦は)ここしかない。最後に戦って、勝って終わりたい」

 現地の強豪を打ち倒し、史上2頭目の連覇を達成すれば、米国のエクリプス賞(現地時間27年1月19日に発表)で選ばれる年度代表馬という究極の夢も見えてくる。

 「エクリプス賞の日はあけています」

 そうニヤッと笑ったトレーナーは言葉を続けた。

 「しっかりと勝てればチャンスはあるんじゃないかなと思います。JRA賞でいえば去年、久々に年度代表馬を取ったよね。まずは個人も馬も含めて、JRA賞に行くこと。ただ、個人だけで行った時は馬で行かないと寂しいなという気持ちもある。

そのなかでも、やっぱり馬で行くなら年度代表馬で行きたい」

 異国からの参戦で、連覇を狙うという立場。本場の意地と誇りをかけた包囲網がくることは十分に分かっている。

 「厳しい戦いは覚悟しています。ただ、今のままの状態でいけば、それを打破してくれるんじゃないかと思っています」

 愛馬を信頼する視線には一切の迷いはない。とにかく勝つ。それだけだ。

前哨戦振り返り

 ジョッキークラブGCは異例の4頭立て。しかし、好位から直線で抜け出し、2着に3馬身1/4差をつける、いつもの強いフォーエバーヤングだった。

 「(レース前は状態が)9割ぐらいに感じたけど、7~8割だったかなと。それとどこまで本気で走っているのかなという感じがした」

 まだ、仕上がり途上ながらJRAオッズで単勝1・1倍。壁が高いと言われ続けた米ダートG1で圧倒的な支持を受けた。

 「みんな(感覚が)麻痺してるんだよ(笑)。

勝って喜んではくれるけど、『勝って当然だよね』みたいに言われる。その時点で今までの次元を一つ超えていると思う」

 現地でも特別な存在になりつつある。前走のレース後、場内にはアルファヴィルというバンドの「フォーエバーヤング」という曲が流れた。

 「感動したよ。フォーエバーヤングって歌詞が出てくるから、一発で分かったし、聞いたこともあったからね。それだけ、リスペクトしてくれているんだなと思います」

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