◆第31回ファンタジーS・G3(10月31日、京都競馬場・芝1400メートル、良)

 第31回ファンタジーS・G3は31日、京都競馬場の芝1400メートルで行われ、3番人気のニクスルーナ(岩田望)が先行2頭を鋭く差し切り、未勝利勝ちに続き重賞初挑戦Vを決めた。新種牡馬のジャンダルム産駒としても重賞初制覇となった。

 迷いなく、内ラチ沿いに飛び込んだ。外回りの広くて、長い直線入り口。岩田望は中団にいたニクスルーナの手綱を動かし、右へ馬体を寄せた。ラスト100メートルで前を射程圏にとらえると、徐々に外へ持ち出しながら進路を確保。前が開いた瞬間に全力で両腕をグイッと伸ばし、ありったけの力を手綱越しに伝える。上がり3ハロン最速33秒3。前を行くフェリチタにトップスピードで襲いかかり、首差だけ前に出たところがゴール板だった。

 レースの上がりが33秒9の瞬発力勝負。だからこそ、ロスを最小限に抑える巧みな騎乗が際立った。「人気馬を見ながら競馬しようと。そういう乗り方をして、外に進路がなさそうだったので、あえて内を突きました」と岩田望は満足そうに振り返る。これが今年の124勝目で、重賞は8勝目。

どちらもすでにキャリアハイを更新中で、リーディングもルメールに次ぐ2位と充実の1年を送っている。

 父は名スプリンターだったビリーヴの息子で新種牡馬のジャンダルム。産駒の重賞初挑戦でつかんだ大きな初タイトルを、遠く米国でブリーダーズCに挑む高柳大調教師も現地時間深夜3時前にリアルタイムで確認していた。「まだまだ粗削りで改善点ばかりなんですが、こうやって重賞も勝ちましたし、能力はあると思う」と岩田望。伸びしろに満ちあふれた人馬の視線の先に、2歳女王の座が映っている。(山本 武志)

 ◆ニクスルーナ 父ジャンダルム、母ルナベイル(父ハーツクライ)。栗東・高柳大輔厩舎所属の牝2歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は4戦2勝。重賞初勝利。総獲得賞金は4147万2000円。馬主は橋本実氏。

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