今季の学生3大駅伝第2戦、全日本大学駅伝は1日、名古屋市熱田神宮西門前スタート、三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴールの8区間106・8キロで行われる。出雲駅伝(10月12日)で16年ぶりに優勝した早大、同2位の国学院大が優勝争いの中心になるだろう。

同4位の順大、スピードランナーがそろう中大も優勝争いに絡む力がある。出雲駅伝では関東最下位の11位に終わった青学大は伊勢路で巻き返しを図る。前回大会覇者で全日本大学駅伝で最多の17回優勝の駒大、駅伝巧者の創価大、帝京大も流れに乗れば上位争い、あるいは優勝争いに加わる力がある。

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 早大、国学院大、順大、中大の4校が激しく、かつ、レベルの高い優勝争いを繰り広げることが予想されるが、その中でも早大と国学院大の2校が1歩から半歩、リードしている、と見る。

 早大は、出雲駅伝を快勝して3冠へ弾みをつけた。「長い間、タイトルを取っていなかった。ひとつ勝つことで自信になります」と花田勝彦監督(55)は手応えを明かす。

 出雲駅伝は1区・吉倉ナヤブ直希(3年)、2区・本田桜二郎(1年)、3区・鈴木琉胤(るい、2年)、4区・新妻遼己(はるき、1年)、5区・山口竣平(3年)、6区・工藤慎作(4年)がいずれも好走した。出雲駅伝優勝メンバー6人に加えて、前回の箱根駅伝9区2位の小平敦之主将(4年)、3000メートル障害で日本学生歴代4位(8分24秒96)の佐々木哲(2年)ら力のある選手が控える。

 「令和の三羽ガラス」と呼ばれる3人のうち出雲駅伝で本田が2区、新妻が4区で区間賞デビューを飾った。もうひとりの増子陽太も「僕も出場していれば区間賞を取れた自信があります」と意欲的に話す。その増子は伊勢路で重要区間の2区(11・1キロ)に登録され、いよいよ大学駅伝デビューを果たす。

 スピードランナーの本田桜二郎(1年)は1区(9・5キロ)に登録された。得意のラストスパートで区間賞候補に挙がる。1、2区でルーキーが先手を取れば早大は優勢となる。

 補欠登録のエース鈴木は当日変更で3区(11・9キロ)、5区(12・4キロ)、6区(12・8キロ)のいずれかで投入されることが見込まれる。定石では序盤の3区だが、つなぎ区間の5区、6区で起用されることも考えられる。そのた場合、ライバル校に差をつけることが期待される。

 昨年優勝の駒大は主力の伊藤蒼唯(現富士通)を5区に起用し、区間2位に1分25秒も大勝。一気に優勝の流れに持ち込んだ。「昨年の駒大の勝ち方は参考になりました」と花田監督は明かす。鈴木の登場区間が勝負を大きく分けることになる。

 最長の最終8区(19・7キロ)は「山の名探偵」の愛称を持つ工藤慎作(4年)が3年連続で担う。昨年は56秒54秒で区間賞を獲得。

早大の大先輩の渡辺康幸(現住友電工監督)が1995年にマークした56分59秒の日本人最高タイムを30年ぶりに超えた。今回もアンカーに工藤が控えていることは早大の大きな強みになる。

 ただ、対する国学院大の前田康弘監督(48)はアンカー決戦に自信を見せる。8区には高石樹(2年)を投入した。

 出雲駅伝では早大と58秒差の2位。3連覇を逃したが「負けて強し」の印象を残した。出雲駅伝に続き、最長の最終区で早大の工藤に高石が挑むことになる。今年1月の箱根駅伝の山上り5区でも対決しており、3大駅伝で3戦連続の直接対決となる。

 今年の箱根駅伝5区で工藤は1時間9分46秒で区間3位、高石は1時間10分5秒で区間4位。その差19秒だった。出雲駅伝では工藤が区間賞を獲得し、高石は20秒差の区間3位だった。高石は大健闘したが、いずれも工藤には惜敗。

出雲駅伝のレース後「勝ちに行きましたけど、僕に力が足りませんでした」と悔しそうに振り返る。

 「今回は高石を工藤君にぶつけることを避けることも考えましたが、高石が『工藤さんと勝負させてください』と強く希望したので、その気持ちに賭けることにしました。アンカー勝負までもつれれば面白いですよ。同時にタスキをもらえれば、高石が工藤君に簡単に力負けすることはないと期待しています。残り1キロのたたき合いになったら、チャンスはある、と思っています」。前田監督は楽しそうに、そして、自信にあふれる表情でレースの行方を占った。

 国学院大が望むアンカー対決に持ち込むには、補欠登録されたエースで主将の野中恒亨(ひろみち、4年)が鍵を握る。当日変更でエース区間の7区(17・6キロ)に起用されることが濃厚だ。出雲駅伝では万全の体調ではなかったため、つなぎ区間の4区(6・2キロ)に回った。従来の区間新記録を6秒更新したが、区間賞は4秒差で早大のルーキー新妻遼己(はるき)に譲った。「野中は6~7割の体調でも区間2位なので、地力があります。その後、調子は戻ってきています」と前田監督は野中に全幅の信頼を寄せる。

昨年の全日本大学駅伝では3区(11・9キロ)で5人ごぼう抜きの区間賞。今年の伊勢路でも快走が期待される。

 国学院大は現4年生世代の入学以降の直近3年の学生3大駅伝平均順位は2・5位でトップ(2位は駒大2・9位、3位は青学大3・6位)。抜群の安定感が強み。1区(9・5キロ)の尾熊迅斗(3年)、2区(11・1キロ)の浅野結太(3年)が踏ん張り、後半勝負に持ち込めば、国学院大の2年ぶり2度目の優勝のチャンスは広がるだろう。

 出雲駅伝5位の中大はアンカーのルーキー栗村凌がやや苦戦し、3位から順位を2つ落としたが、5区まで力通りに走った。「もうひとつの出雲駅伝」と呼ばれる出雲市長距離記録会5000メートルで佐藤蓮(4年)、並川颯太(3年)が力走し、チームのムードを盛り上げた。7区(17・6キロ)に登録された岡田開成(3年)は中大のエースらしい走りが期待される。

 前回の箱根駅伝3位の順大は「駅伝力」が増している。今季の出雲駅伝は4位だが、アイビーリーグ選抜(3位)を除けば3番手。2区(11・1キロ)に登録された吉岡大翔(4年)、補欠登録から勝負区間への投入が濃厚な山本悠(3年)を軸に優勝争いに加わりたい。2年連続でアンカーを務める小林侑世(4年)は堅実。

国学院大の前田監督も「順大のオーダーがいい感じですね」と警戒している。

 青学大は出雲駅伝で関東勢最下位の11位に終わった。「昨季は出雲駅伝7位の後、全日本大学駅伝で3位となり、箱根駅伝優勝につながった。今季もホップ、ステップ、ジャンプといきたい。全日本大学駅伝は大事なレースになります」と原監督は表情を引き締めて話した。

 前回覇者の駒大は、Vメンバーの谷中晴(3年)が故障で欠けたことが痛い。ただ、全日本大学駅伝では最多の17回の優勝を誇る。得意の伊勢路で見せ場をつくることは十分に考えられる。

 約2週間前の箱根駅伝予選会(17日)でトップ通過した東洋大、2位の中央学院大、3位の東海大など予選会組は疲労回復が鍵になる。

 東洋大は、予選会の個人ハーフマラソンで全体4位、日本人トップと大活躍した宮崎優(2年)が補欠登録から4区(11・8キロ)に出陣することが濃厚。3区(11・9キロ)の松井海斗(3年)とのコンビで上位に進出したいところだ。

 日大のシャドラック・キップケメイ(4年)は7区で、山梨学院大のブライアン・キピエゴ(4年)は8区で、それぞれ区間新記録が期待される。

チームを一気にシード圏内(8位以内)あるいは、さらに上位へと引き上げる力を秘めている。(大学駅伝担当・竹内 達朗)

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