セブン―イレブン・ジャパンは7月15日納品分から、ソフトドリンクの納品における「製造ロット逆転」緩和の取り組みを順次開始する。これまで飲料の納品では、賞味期限に十分余裕がある商品でも、すでに納品された商品より期限が短い場合は納品できない運用があった。
こうした過去からの商慣習を見直し、店舗や消費者への影響が小さい範囲で納品対応を改める。輸送ドライバー不足への対応や物流負荷、フードロスの削減につなげる狙い。小売業界では同社が先駆けて推進する取り組みとなる。

製造ロット逆転とは、一度納品された商品よりも賞味期限が短い商品が後から納品されることを指す。従来は、製造ロット逆転を防ぐため、メーカー側で賞味期限をそろえる必要があった。例えば、近くの拠点に賞味期限まで十分余裕のある商品があっても、すでに納品された商品より賞味期限が短ければ納めることができなかった。そのため、賞味期限をそろえる目的で遠方の工場や倉庫から商品を運ぶケースが生じ、余分なトラック輸送やセンターでの余剰在庫につながっていた。

今回の取り組みでは、納品期限の範囲内で約1か月の製造ロット逆転納品にも対応する。納品期限や販売期限は従来通り変更せず、店舗に商品を届ける。賞味期限管理を緩めるのではなく、実際の店頭運用や消費者への影響が小さい範囲で、過度になっていた納品時の対応を見直す。

同社は、取り組みにより飲料メーカーの商品輸送用トラック約3000台の削減を見込む。余分なトラック輸送を減らすことで、限られた輸送力を有効に使い、輸送ドライバー不足への対応につなげる。
あわせて、ドライバーの働き方改革、CO2排出量削減、石油資源の使用量削減にもつながるとしている。

納品時の製造ロット逆転をめぐっては、飲料大手5社でつくる飲料業界「社会課題対応研究会」が2025年11月、物流負荷やフードロスにつながる商慣習上の課題として問題提起していた。同研究会は、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリービバレッジ&フードの清涼飲料5社が発足させたもの。物流2024年問題、温室効果ガス排出量削減、食品ロス問題など、製配販にまたがる社会課題について議論を重ねている。

同研究会の調査では、ペットボトル飲料で1か月程度の賞味期限逆転があった場合でも「購入する」と回答した人が86.5%に上った。セブン―イレブン・ジャパンは、同研究会で示された課題を踏まえ、物流問題やフードロスなどの社会課題解決につながる対応として今回の取り組みを開始する。今後も物流課題の解決に向けて、継続した取り組みを進める考えだ。
編集部おすすめ