毎週月曜日は東京新聞との紙面連動企画。
今日は、情報面メトロポリタン+(プラス)面に載っていた、見た目はレトロ、中身は先端技術が詰まったラジオ型の機器、その名も「RADIO TIME MACHINE(ラジオタイムマシーン)」に注目しました。
チューナーを合わせるのは周波数じゃなくて西暦⁉
ラジオタイムマシーンとはいったいどんなラジオなのか?開発担当のTBWA HAKUHODO、鈴木賢史郎さんに伺いました。
TBWA HAKUHODO シニアクリエイティブディレクター 鈴木賢史郎さん
「大きく言えばラジオなんですけども、周波数じゃなくて、メモリが西暦になってるんですね。なので、ダイヤルを過去の西暦に合わせると、その年のニュースとヒット曲が流れるっていう、AIラジオになってます。
日本はすごく高齢者が多い、で、認知症の方も凄く増えているので、何か僕らでできることはないかと考えて、このラジオを開発するに至りました。
ダイヤルは一番古くて1950年ですね。基本的には電源を差せれば、すぐ使えるんですけども、条件としてはインターネット接続が必要になってます。なぜかというと、その日の夜に、次の日のラジオの原稿をダウンロードするんですね。あ、そうなんです、毎日違うんです。例えば、今日は4月の24日です。なので、4月の24日にこのラジオタイムマシーンを使って、1953年に合わせると、1953年の4月24日のニュースが聞けるような仕様になってます。」
鈴木さんたちは、自分たちのアイデアで社会の役に立つものを生み出す、ということをしていますが、今回は、認知症の方々の健康増進に役立つ何かを、と考えて誕生したのがラジオタイムマシーン。
チューナーを希望の西暦に合わせると、その年のニュースやヒット曲が流れる番組を聞くことができます。文章を生成するAIと、その文章を音声にするAIの二つを合わせて使い、実現しました。
今日は、世界にまだ、一台しかない実物をお持ちいただきました!
<こちらがRADIO TIME MACHINE(ラジオタイムマシーン)です!チューナーは1950年に!>見た目は、いかにも昔のラジオ。
昔のニュースで、昔のヒットソングで、会話が弾んだ!
そして、実際に、認知症の方々が暮らしている施設で、使ってもらいました。
そのグループホームを運営する、株式会社ニチイ学館渋谷支店の佐々木美奈さんに、ラジオタイムマシーンを使ったみなさんの様子を伺いました。
ニチイ学館渋谷支店 プランニングマネージャー 佐々木美奈さん
「昔のことは結構覚えてらっしゃる方が多いので、その時の時事とかが流れてくると”あ!そういえばこんなことあったな”って思い出す方もいますし、あと歌は結構みなさん、認知症の方でも覚えてらっしゃる方がほとんどなので、歌が流れると、みんなで大合唱したりしていました。
私たちも、昔のことあまり分からないので”こういうことあったの?”とか言うと、”そうそう、ウチの母ちゃんがね”とか、”父ちゃんがね”とか、会話がすごい盛り上がるというか、あ~この時こうだったな~っていうのは結構聞けましたね。
そう、車の販売があったっていう時事があったんですけど、あ~そういえばオレそれ乗ってたな、とか、そっから、車好きなの?ってどんどん会話が発展していったので、はい。それまでは、その方が車好きとか知らなかったんですけど、そういう引き出しも出てきたので、かなりびっくりしました。」
今まで聞いたことのなかった話がどんどん出て来たことにビックリしていましたし、また、あなたはこの頃どうしてたの?など、ホームの利用者さん同士でも話が弾んでいて、これにも佐々木さんはビックリしていました。
施設のスタッフにとっても画期的!!
昔の思い出を語り合うことで脳を活性化し心の安定を図る、これは『回想法』と呼ばれる心理療法で、認知症ケアの現場でもその有効性が高く評価されているものです。
このラジオタイムマシーンによる回想法は、スタッフにもいいことがある、と、佐々木さんはおっしゃいます。
ニチイ学館渋谷支店 プランニングマネージャー 佐々木美奈さん
「昔のことを引き出そうとって言っても、どう聞いていいかっていうのも、なかなかすごい難しいですし、昔はどうだったの?っていう質問でも、覚えてない、覚えてないっていう風になるので、具体的に話せるからいいかな、と思います。
そうなんですよ、利用者さんたちがすごく盛り上がったので、すごくいいなぁ~と。やっぱりこういうものが施設にあると、今、人材不足なのでね、利用者さんたちで盛り上がって頂けると、スタッフの手も、少し時間が空くので、他の仕事が出来たりとか、そういうところにも手が回っていくので、すごい助かるなと思いました。」
介護の現場の人手不足は、深刻ですからね。
しかし、ラジオタイムマシーンだと、高齢者が自分でラジオをひねり、聞きながら歌ったり話したりして盛り上がるので、スタッフは、近くにいながら、他の仕事をすることが出来て、とても助かったと、何度もおっしゃっていました。
鈴木さんたちのところには、全国の施設から感謝の手紙が届いたり、アメリカ版はいつできるの?と問い合わせが来ているそうで、注目されています。
現在、北里大学の先生方と共同研究で、認知機能の低下と、ラジオタイムマシーンの刺激について、より専門的な観点での観察が始まっています。
認知症の方々だけじゃなく、スタッフの助けにもなるのは大事なこと。商品として世に出るのも楽しみですが、学術的な有効性にも期待したいですね!
(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ!』より抜粋)

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