来年1月6日に行われる第76回ゴールデングローブ賞授賞式。本番まで残り1か月となった現地時間6日にノミネーションが発表され、ノミネートされた女優たちが喜びのコメントを寄せている。


ゴールデングローブ賞はハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)会員の投票により選定され、アカデミー賞の前哨戦として最も注目される賞のひとつである。現地時間5日に来年の司会が韓国系カナダ人女優のサンドラ・オーとコメディグループ「ザ・ロンリー・アイランド」のアンディ・サムバーグに決定したことが伝えられ、翌6日にはノミネーションが発表された。

映画『Destroyer(原題)』でドラマ部門の主演女優賞にノミネートされたニコール・キッドマンは、「“伝統的な女性ではない”役でノミネートされたことにとても感謝しています。(私が演じた)エリン・ベルは複雑で、ありのままで生々しく、危険な女性です。彼女を演じるのは特別なことでした。(監督)カリン・クサマをはじめ、すべてのキャストやクルーとこのノミネーションを分かち合いたいです。
私たちみんなにとって情熱溢れるプロジェクトでした。HFPAにはとても感謝しています」とコメントした。

このニコール・キッドマンのコメントにもあるように、闇を抱えた刑事エリンという役どころは「伝統的な女性ではない」、つまり世間一般の女性像からかけ離れた人物であるようだ。これまで正統派女優のイメージが強かったニコール・キッドマンにとって、その言葉通り情熱をもって取り組むほど価値のある役であり、それが主演女優賞にノミネートされたことは彼女にとって新たな飛躍の一歩となることは間違いない。

映画『Vice(原題)』で助演女優賞に、『K I Z U-傷-』でリミテッドシリーズ/テレビムービー部門の主演女優賞にもノミネートされたエイミー・アダムスは、「(2つのノミネーションに)圧倒されています。認めて頂いてHFPAに感謝しています。
今年は2つの素晴らしい撮影に関わることができました。皆さんのハードワークと献身さに感謝しています」と2作品の関係者を称えた。

映画『女王陛下のお気に入り』で助演女優賞にノミネートされたエマ・ストーンは、「このような栄光を頂けて、HFPAのメンバーに感謝しています! 私がこの映画で愛するオリヴィア・コールマンとレイチェル・ワイズ、素敵な俳優陣と共演し、(脚本家)トニー・マクナマラとデボラ・デイヴィス、素晴らしいプロデューサーと一緒に仕事ができて、信じられないほど嬉しかったです。特にあなた、(監督)ヨルゴス・ランティモスの指導、素晴らしさ、友情に感謝しています」と表明した。

映画『メリー・ポピンズ リターンズ』でミュージカル・コメディー部門の主演女優賞にノミネートされたエミリー・ブラントは、「誰もが知る著名なキャラクターを演じるのは楽しく、この経験すべてが魅力溢れるものでした。ロブ・マーシャル監督が心に大きな愛、深さ、勇気を持って、このプロジェクトを引き受けてくれたからです。
(共演者)リン=マニュエル・ミランダや美しい楽曲、映画自体が評価を受けて興奮しています。ありがとうございます」と喜びを語っている。

なお今回は日本の作品もノミネートされており、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞を、細田守監督の『未来のミライ』がアニメ映画賞で候補となる快挙を成し遂げた。

第76回ゴールデングローブ賞映画部門 主なノミネート作品は以下の通り

▼主演女優賞(ドラマ部門)
ニコール・キッドマン『Destroyer(原題)』
グレン・クロース『天才作家の妻 40年目の真実』
レディー・ガガ 『アリー/スター誕生』
メリッサ・マッカーシー『Can You Ever Forgive Me?(原題)』
ロザムンド・パイク『A Private War(原題)』

▼主演女優賞(ミュージカル・コメディー部門)
エミリー・ブラント『メリー・ポピンズ リターンズ』
オリヴィア・コールマン『女王陛下のお気に入り』
エルシー・フィッシャー『Eighth Grade(原題)』
シャーリーズ・セロン『タリーと私の秘密の時間』
コンスタンス・ウー『クレイジー・リッチ!』

▼助演女優賞
エイミー・アダムス『Vice(原題)』
エマ・ストーン『女王陛下のお気に入り』
クレア・フォイ『ファースト・マン』
レジーナ・キング『ビール・ストリートの恋人たち』
レイチェル・ワイズ『女王陛下のお気に入り』

▼主演男優賞(ドラマ部門)
ブラッドリー・クーパー『アリー/スター誕生』
ウィレム・デフォー『At Eternity’s Gate(原題)』
ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ』
ルーカス・ヘッジズ『Boy Erased(原題)』
ジョン・デヴィッド・ワシントン『ブラック・クランズマン』

▼主演男優賞(ミュージカル・コメディー部門)
クリスチャン・ベール『Vice(原題)』
リン=マニュエル・ミランダ『メリー・ポピンズ リターンズ』
ヴィゴ・モーテンセン『グリーンブック』
ロバート・レッドフォード『The Old Man & The Gun(原題)』
ジョン・C・ライリー『Stan & Ollie(原題)』

▼助演男優賞
マハーシャラ・アリ『グリーンブック』
ティモシー・シャラメ『Beautiful Boy(原題)』
アダム・ドライバー『ブラック・クランズマン』
リチャード・E・グラント『Can You Ever Forgive Me?(原題)』
サム・ロックウェル『Vice(原題)』

▼作品賞(ドラマ部門)
『ブラックパンサー』
『ブラック・クランズマン』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『ビール・ストリートの恋人たち』
『アリー/スター誕生』

▼作品賞(ミュージカル・コメディー部門)
『クレイジー・リッチ!』
『女王陛下のお気に入り』
『グリーンブック』
『メリー・ポピンズ リターンズ』
『Vice(原題)』

▼監督賞
ブラッドリー・クーパー『アリー/スター誕生』
アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』
ピーター・ファレリー『グリーンブック』
スパイク・リー『ブラック・クランズマン』
アダム・マッケイ『Vice(原題)』

▼外国語映画賞
『Capernaum(原題)』(レバノン)
『Girl(原題)』(ベルギー)
『Never Look Away(原題)』(ドイツ)
『ROMA/ローマ』(メキシコ)
『万引き家族』(日本)

▼アニメ映画賞
『犬ヶ島』
『未来のミライ』
『シュガー・ラッシュ:オンライン』
『スパイダーマン:スパイダーバース』
『インクレディブル・ファミリー』
(TechinsightJapan編集部 朝倉リリー)