美人だと話題になった主審も!
テニスの主審についてのあれこれを紹介

グランドスラムなど重要な試合を見ていると、何度も同じ主審の顔を目にすることに気づく。中には名物主審としてキャリアの長い有名な主審や、毎回選手とトラブルになる主審もいる。
このところ女性が重要な試合の主審を務めていることも多くなった。今回は、主審になる方法やランク、収入に関して紹介する。

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この主審、見たことある! トップランクの主審を紹介

長いキャリアを持ち、多くの試合において主審を担当してきた名物ともいえる主審が存在する。その中から3名を紹介する。

大坂なおみとセリーナの2018年US決勝で大もめ!? カルロス・ラモス氏
2018年に初めてUSオープンを制した大坂なおみ(フリー/世界ランキング42位)。その決勝戦で、セリーナ・ウイリアムズ(アメリカ)に対してコーチングなどのペナルティを3回課したのがカルロス・ラモス(ポルトガル)氏だ。


ラファエル・ナダル(スペイン/同2位)に対してもサーブ間の時間が長いとしてタイムバイオレーションを出したり、当時世界ランク2位だったアンディ・マレー(イギリス/同46位)が発した言葉に対し警告を取るなど、誰に対しても分け隔てなく厳しい審判として知られている。

●騒ぐ観客に「バカみたいに叫んでいるのはあなた一人です」とカルロス・ベルナルデス氏
2022年3月に行われた「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ATPマスターズ1000・WTA1000)のナダル対ニック・キリオス(オーストラリア/同22位)の試合で、叫んでいる観客に対して「バカみたいに叫んでいるのはあなた一人です」と言って黙らせたのがカルロス・ベルナルデス(ブラジル)主審。

ベルナルデス氏は、2010年ツアー最終戦でのナダル対トーマス・ベルディッチ(チェコ)の試合において、ナダルと揉めたことがある。第1セット、ベルディッチが6-5とリードしたナダル・サーブの第12ゲームで、ベルディッチが打ったショットをアウトだと指摘した後に相手のコートにボールを返球したナダル。その後すぐに主審も「アウト」とコールした。

だが、ベルディッチのチャレンジによってホークアイの画像が表示され、わずかにインであることが判明。
ナダルは「審判も“アウト”をコールし、自分のボールも相手コートに返球しているため相手のポイントにはならない」と主張したが、結局ベルディッチのポイントとなった。当然ナダルは激怒し、その後も論争を巻き起こした。

これはあくまで一例であり、さまざまな難しい場面に遭遇しながらも最善を尽くし、長く主審としてのキャリアを築いていくことは並大抵のことではないだろう。

フェデラーの試合でも活躍! 美しく優秀な女性主審マリヤナ・ベリョビッチ氏
2020年全豪オープンにおいて、ロジャー・フェデラー(スイス)の試合で主審を務めたことで一躍有名になったマリヤナ・ベリョビッチ(セルビア)氏。セルビア出身のベリョビッチ氏は、審判として最高レベルのゴールドバッジを2015年に取得した優秀な主審だ。

2018年全豪オープン女子決勝戦でも主審を務めており、ITF(国際テニス連盟)のウェブサイトには、彼女についての動画がアップされている(上部リンクをクリック)。
今後さらに活躍が期待されるだろう。

誰でも受験できる!? 主審になるには

公益財団法人日本テニス協会のウェブサイトによると、日本において審判を目指す場合、まずC級審判認定講習会を受講するところから始まる。「C級審判員資格認定会」は地域協会・都道府県テニス協会・一般団体の主管で行われる。講義(約6時間)と認定試験を1日に受けることができ、受験資格は特にない。

その上のレベルはB級となり、B級認定会は日本テニス協会により行われる。C級認定試験合格者の新規登録料(3年分)は4,000円。
登録後は各都道府県協会登録審判員となり、都道府県レベル、地域大会で経験を積み、ITFプロサーキット大会や全日本選手権、グランドスラム、オリンピック・パラリンピックなどでの勤務につながっていくのだ。

グランドスラムの試合を担当するには!? ランクで担当できる試合が決まる制度

グランドスラムのメインコートで主審を務めているのは主にITFのゴールドバッジを取得している審判だ。日本では「国際審判員」と呼ばれ、ITF、ATP(男子テニス協会)、WTA(女子テニス協会)などが共同で作成した基準におけるゴールドバッジ、シルバーバッジ、ブロンズバッジを取得している審判が該当する。

国際レベルの試合を担当するためには、まず国内で経験を積んだのち、国のトップレベルの試合で主審を務める必要がある。ITFのウェブサイトには、よりレベルの高い国際試合を担当するには、試験を受けてバッジのレベルをアップさせていく必要があり(レベル1がグリーンバッジ、レベル2がホワイトバッジ、レベル3がブロンズ、シルバー、ゴールドバッジ)、ITFによる公認スクールも開講されている、とある。

気になる主審の収入

BBCニュースが報じたところによれば、トップレベルの主審が得る年収は約850万円から1,000万円とのこと。
ITFは、一回ごとの試合における収入は試合が行われる地域の物価などによっても上下する、としている。審判の収入を左右する要素はさまざまだ。

主審の仕事は、テニス好きな人にとっては選手と非常に近い位置で試合に関わることができる最高な仕事だと感じるかもしれない。一方で、選手とのトラブルもつきものである点は否めない。前述したベルナルデス氏は、2022年3月に行われた「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ATPマスターズ1000・WTA1000)で、キリオス対ヤニック・シナー(イタリア/同15位)の4回戦を担当した際、キリオスから数多くの暴言を受けた。キリオスは試合後罰金を科せられたが、だからといって気持ちが晴れるものでもないだろう。


ベルナルデス氏は「コート上で起きたことを個人的な問題だと捉えないことが、この世界で生き残るためには重要だ」とインタビューで語っている。主審は選手と親密になったり交際したりするなど、コート内外を問わず公平性を疑われるような行動をとってはならないため、選手と主審が友達になるのはとても難しいことのようだ。

素晴らしい試合をサポートし重要な役割を担う仕事

テニスの試合において、審判はフェアなプレーを促しコート上で選手をサポートする重要な役割を担っている。そしてその入り口は広く開かれており、受験資格がないので誰でもチャレンジすることが可能だ。興味がある人はC級の講習会からぜひ参加してみてほしい。もしかすると将来、グランドスラムの決勝戦で主審を務める日が来るかもしれない。