メンシク、初のグランドスラム4強。世界3位に屈するも、確かな手応えを残しパリを去る


6月5日、「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス準決勝が行われ、第26シードのヤクブ・メンシク(チェコ/世界ランク27位)は、第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)に5-7, 2-6, 6-3, 3-6で敗れ、キャリア初となるグランドスラム決勝進出はならなかった。
試合後、メンシクは「まるで壁を相手に打っているようだった」と世界3位の堅牢さを称えつつも、「多くのプラスがあった」と2週間の大躍進に胸を張った。

【動画】メンシク、高い守備力を見せた世界3位ズベレフに屈し決勝に進めず…準決勝ハイライト

試合は、経験豊富なズベレフがメンシクの挑戦を退ける展開となった。第1セット、メンシクは鋭いパッシングショットや果敢なネットプレーで3本のブレークポイントを握る好機を作ったが、これをしのがれると、5-5からブレークを許して5-7で落とす。続く第2セットも、執拗なロングラリーを仕掛けるズベレフの前に自分のゾーンを見出せず、2-6で連取された。

後がない第3セット、メンシクは首の張りのためメディカル・タイムアウトを取得した後に反撃を開始。ドロップショットなどの緩急をつけた揺さぶりで主導権を奪い、6-3でこのセットを取り返したものの、第4セットでは仕切り直したズベレフに序盤から0-3とリードを広げられ、3時間1分の激闘の末に力尽きた。これでメンシクは、ズベレフとの対戦成績を0勝2敗とした。

試合直後の記者会見で、メンシクは落胆の表情を見せつつも、この2週間を前向きに振り返った。

「現時点ではもちろん敗戦が悔しい。でも、あと数時間、あるいは数日経てば、この試合だけでなく、大会全体をポジティブに捉えられるようになるはずだ」

試合の勝敗を分けた要因については、ズベレフのクオリティを称賛した。

「サーシャ(ズベレフ)はコート上で本当にタフな相手。フリーポイントを全くくれないし、かなり深い位置に構えているから、まるで壁を相手に打っているかのように感じてリズムを掴むのが難しかった。
第1セットでブレークチャンスを活かしていれば逆の流れになったかもしれないが、これがテニスの流れだ。サーシャが世界3位であるのには理由がある。彼は相手に流れを長く渡してはくれなかった」

第3セット前に要求した身体の異変については、次のように説明している。

「最初の2セットは精神的にも肉体的にもリズムを掴むのに苦しみ、エネルギーが低下してしまった。今大会はタフな長い戦いが続いていた。2日間のリカバリーは順調だったが、試合中に左の首が少し硬くなっていくのを感じた。長期離脱するような怪我ではないが、あの瞬間は思うような動きができなかった。少し違和感があったという程度で、深刻なものではないから大丈夫だ」

ストレートでの完敗ではなく、トップ選手を相手に肉薄したからこその悔しさが滲む。

「3セット連取されてコテンパンにやられたわけではないからこそ、より悔しさが残る。サーブ&ボレーや、ここぞという場面でのドロップショットなど、状況を打開するための選択肢や戦術は見出せていたし、実際にそれで多くのゲームを取ることもできた。もし明日、あるいは明後日に同じ相手と戦うとして、より良いショットセレクションができれば、自分が勝者になれていた可能性はある」

初のグランドスラム4強という大躍進を遂げ、大会後のライブランキングでは16位への浮上が確実となっている。メンシクは最後に、今大会で得た最大の収穫を語った。


「これまでの2週間で起きたことを考えれば、最高のパフォーマンスで準決勝まで勝ち進み、多くのトップ選手を倒せたことは大きなプラス。もうダメかと思うような窮地から何度も立ち上がり、戦い抜いて勝利への道を見つけることができた。グランドスラムという舞台でトップ選手を相手に2週間このパフォーマンスを維持するのは本当にタフな経験であり、僕にとってはすべてが初めてのことばかりだった。これらをうまく乗り越えられたことに満足しているし、素晴らしい大会になった。これを偉大な経験として持ち帰りたい」
編集部おすすめ